イケメンARキャラがリアルな人間すぎて好きになりそう

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『ときめきメモリアルgirl’s side』や『ラブプラス』(共にコナミ)など、恋愛シミュレーションゲームを手掛けてきたゲームデザイナーの内田明理さん。昨年、ユークスに移籍し、現在手掛けているプロジェクトは、「AR performers」です。目の前にいるAR(拡張現実)の美少年が歌って踊って、おまけに私たちとコミュニケーションするステージをリアルで体験できるのです。

なんのことやら、と思った方はまずこちらの動画をご覧ください。

⇒【YouTube】はコチラ 『AR performers βLIVE(ベータライブ)』ダイジェスト版 https://youtu.be/MgWX9g27EGY

 かつてのキャラクターはいわゆるゲームと現実が切り離されていた存在でしたが、彼らが3次元に舞い降りてきたと言ってもいいでしょう。そんな未来感あるプロジェクトを進行中の内田氏にお話しを聞いてきました。(聞き手 卯月鮎)

――これまでゲームを制作してきた内田さんが、どうしてARキャラクターを手がけようと思われたのですか?

内田:最近の人が何に価値を感じているかを考えたとき、近年は経験や体験に対して非常に高い価値を感じているのではないかと気付いたんです。音楽でいうとフェスブームがそうですよね。その状況を自分が得意なことと照らし合わせると、2Dキャラクターたちがお客様に生の体験を提供する形が一番シンプルだろうという結論に至ったんです。

 おかげさまで、4月のベータライブ(試作)も大成功に終わりまして、自分の経験でもないくらい、初お披露目のキャラクターをお客様に熱心に応援していただけました。これはなにかすごいことが起きかけているな、という実感があります。

――内田さんは男性キャラも女性キャラも両方手掛けていますが、なぜ今回は男性キャラクターだったのでしょう?

内田:正直、いろいろな偶然があったんですけど、もともと自分が好きな音楽が男性アーティストのものであることが圧倒的に多かったんですね。だから、生の演奏+音楽をベースにしたとき、自然と男性アーティストになりました。

――シンジは、王子様的なクラシック指向のキャラですよね。

内田:これまでずっと王子様キャラを提案してきて、やればやるほどもっとやりようがあったなという部分があって……。自分のテーマとして、王子様キャラを進化させていかなければ、という勝手な責任感を持っております(笑)。

◆チームでキャラクターを動かしている仕組みとは?

――やはり、AR performersのキャラクター作りはこれまでとまったく違いますか?

内田:これまでのゲームキャラクターは、自分の頭のなかでできたとおりに動いていたんですが、今回はそうはいきません。いわゆるデジタル人形浄瑠璃だと思っていまして、僕が原型であるキャラクター像を設定して、ビジュアルをデザインしてくださる方、ダンスを振り付けてくださる方、それを踊ってくださる方、声をあててくださる方。お芝居をする俳優さんもいます。つまり「チーム・シンジ」がシンジを作り上げています。

 ステージ裏では、それぞれの職人さんが歌っていたり、踊っていたりしている。ステージ上で起こったことが真実になるんですよ。なので、当然僕の制御の外で動いてしまうことも多々あります。そこが新鮮ですね。生のタレントさんとのお仕事ってこういう感じなんだろうなと。

――ある意味、人間と同じですね。

内田:ベータライブでも、セリフを噛んだ場面があったんですよ。これ、人間のライブMCだったら普通に起こることじゃないですか。でも、あらかじめ作られた二次元コンテンツのライブだったら絶対に起きない。だからすごく面白かったですね(笑)。決めゼリフを言ったあとに自分で笑っちゃったりとかね。

――ファンの反応はいかがでしたか?

内田:会場には半信半疑で来て下さった方が多かったと思うんですよ。内田の顔を立てて行ってやるかくらいのつもりで(笑)。でも、シンジが歌い終わって、みなさんに目を合わせてリアクションしながらしゃべっている。これを見て、次第に観客席からどよめきが起こって。みなさん、ただのホログラフィックの映像ライブだと思われていたようなんですね。お客さんの「シンジ、いた!」というツイートがうれしかったです。AR performersはその場で一期一会のパフォーマンスを提供する活きたアーティストという風に考えています。

◆あらたなイケメンキャラクターも登場する?

――ちなみに、2人組ユニット・レベルクロス(レベクロ)の組み合わせはどう思い付いたのでしょうか?

内田:自分としては王道のデコボココンビといった感じです。見た目もエッジーなアーティストで、多少過激な発言をする2人なので、2人組の絆が強いコンビであってほしいと。というか、まっさきにあの2人を思い付いて、あとは考えつかなかったです。

――今後、新たなパフォーマーが登場する予定はありますか?

内田:実は、今までの3人とは毛色が違う変化球みたいな人が登場します。

――ええ、そうなんですか!

内田:こいつがなんと音域が4オクターブあって、ダンスがすごく上手いんですよ。今もうシンジたちがピリピリしてますね(笑)。神戸の人で、普段は割とおっとりしているんですが、パフォーマンスになると人が変わったように動く!

――内田さん、自分のところのタレントを自慢する、芸能マネージャーみたいですね(笑)。

内田:いやぁ、シンジとレベクロたちが怒るかもしれないけどべらぼうに歌が上手くて。本当によくできる新人だ(笑)。

――最後になりますが、ARキャラクターはどこまで女性を満たすことができるでしょうか?

内田:実はそれに関してちょっと考えていることがありまして。普通、アイドルって公とプライベートが分かれていますよね。でも、ARキャラクターだったら、ライブ会場ではステージ上にいたアイドルが、ファンのみなさんひとりひとりのための存在になりうる。これが、ARキャラクターのおもしろいところなのかなと。そのうち、具体的に形にしてみたいと思っています。

 来年、1月14、15日には、デビューライブが決まりました。ゲームでもない、人間のライブでもない、新感覚のライブとなるでしょう。

【AR performers 1st A’ LIVE】
開催日:2017年1月14日(土)、2017年1月15日(日)全6公演
場所:ディファ有明
https://home.yukes.co.jp/arp/

<TEXT/卯月鮎>