韓国の次期大統領選挙の有力候補として、李在明・城南市長が浮上している。李市長は米国のトランプ次期大統領ばりの過激発言で支持を広げている。写真は城南市政府のHPより。

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2016年12月3日、「韓国版トランプ」登場―。韓国の次期大統領選挙の有力候補として、ソウルに近い城南市の李在明(イ・ジェミョン)市長(51)が注目を集めている。李市長は朴槿恵(パク・クネ)大統領を「日本のスパイ」と非難する一方、財閥解体や北朝鮮との無条件会談などを主張。過激発言で支持を広げている。

李市長は工場労働者出身で、25歳で弁護士となった。人権派弁護士として活動した後、2010年に城南市長に当選、14年に再選された。市の負債を完済するなどの行政手腕を発揮、福祉にも力を入れるなど同市で高い支持率を誇る。

その李市長を一躍有名にしたのは、米国のトランプ次期大統領ばりの過激発言。韓国メディアによると、11月上旬には慰安婦問題について、自身のフェイスブックに「朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領(朴槿恵大統領の父)は日本軍将校出身で、日本軍慰安婦をまねして米軍慰安婦制度をつくった」「慰安婦に対する朴槿恵政府の残忍な措置は米軍慰安婦と無関係だと言えるだろうか?」などと書き込んだ。

日韓両国が締結した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関しても、「この協定を締結するなら、朴槿恵は大統領ではなく日本のスパイ」と批判。両国がGSOMIAに署名した当日にはフェイスブックで「売国の現場を目撃する気持ちは無残なものだ。軍事的側面から見ると、依然として日本は敵性国家であり、日本が軍事大国化する場合一番先に攻撃対象になる場所は朝鮮半島であることは明らかだ」と訴えた。

さらに、国政介入事件で混乱が続く中、朴政権がGSOMIAを急いだことに言及。「どうやら朴槿恵は父親の祖国である日本のために死ぬ覚悟を決めたようだ。死ぬ覚悟の売国奴にはどうすることが正しいだろうか」などとも糾弾した。

韓国の現状について、李市長は大学での講演で「現在韓国は民主共和国を回復しているのではなく、民主共和国をつくっている最中だ」と指摘。「1%が国を支配する、いわゆる既得権を持った支配層は国民を(国家の)主人ではなく支配対象と見ている。機会と資源、競争が非常に公正でない中で、大多数の国民の生活が荒廃している」と述べている。

聯合ニュースによると、世論調査会社のリアルメーターが11月末に発表した次期大統領選の有力候補の支持率は、最大野党「共に民主党」の前代表・文在寅(ムン・ジェイン)氏が21.0%と4週連続で1位を維持した。国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏は17.7%で2位。李市長は11.9%となり、第2野党「国民の党」の前代表・安哲秀(アン・チョルス)氏を上回って初めて3位に浮上した。

韓国で朴大統領が条件付きながら退陣表明に追い込まれた背景には、若者の就職難や所得格差の拡大などの不満が渦巻いている。そこにナショナリズムをあおりながら、舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む李市長は、次期大統領選で“台風の目”的な存在になる可能性をも秘めている。(編集/日向)