韓国のEEZで違法操業する中国漁船の行動が変わりつつある。韓国の海洋警察が中国漁船の取り締まりを強化し、必要に応じて火器を使用する強硬方針を打ち出したためとみられる。中国山東省の漁船

写真拡大

2016年12月2日、韓国の排他的経済水域(EEZ)で違法操業する中国漁船の行動に変化の兆しが表れている。韓国の海洋警察が中国漁船の取り締まりを強化し、必要に応じて火器を使用する強硬方針を打ち出したためとみられる。韓国メディアは「違法操業が減少し、漁獲量が増加」とも報じている。

今年10月、朝鮮半島西の黄海上で違法に操業していた中国漁船が、韓国海洋警察の高速艇に体当たりして沈没させる事件が発生。これを受けて韓国政府は海洋警察の公務執行を妨害する中国漁船に対しては、M60機関銃、20ミリ、40ミリ艦砲などの火器使用方針を明らかにし、「先措置・後報告」の原則を適用した新マニュアルも公開した。

今月1日には仁川沖で違法操業中だった中国漁船2隻を海洋警察が拿捕(だほ)して仁川に向かう途中、周辺にいた中国漁船約30隻が妨害を試みたため、海洋警察はM60機関銃600〜700発を発砲。12日にも韓国領海を侵犯し、強く抵抗した中国漁船にM60機関銃で95発撃つなどして退去させた。

これに対し、中国共産党中央委員会機関誌・人民日報系の環球時報は社説で「中国漁船に対する砲撃を許可するとは、韓国政府は気が狂ったのか」などと非難。「韓国世論の激動と韓国政府の発砲許可令からして、国の上も下も民族主義の集団発作を起こしている」とした上で、「韓国側の主張通りなら、中国漁船に明らかに責任があり、当然それ相応の処罰を受けなければならないが、調査には時間が必要であり、韓国側は必要なだけの忍耐力を見せなければならない」と主張した。

その一方で、ハンギョレ新聞によると、中国政府が自国漁船に韓国海洋警察の火器使用の原則を教え、抵抗しないよう指示していたことが分かった。

山東省の海洋漁業局が漁船に送ったメッセージでは「韓国政府は新たに改正した兵器使用マニュアルの『先措置・後報告の原則』を明確にするために黄海で取り締まりを強化した」と指摘。「各漁船は遵法意識を強化し、無許可の越境操業や暴力で抵抗する行動を厳禁せよ。海外漁業規定に違反する行為も断固として根絶されなければならない」と強調していたという。

こうした指示を裏付けるように、仁川沖の北朝鮮との境界に位置する西海五島の海域で10月に違法操業をしていた中国漁船は1日平均123隻で、昨年同期の半分近くに減少した。11月に入っても1日の中国漁船の平均数は50隻で、昨年(150隻)の3分の1にとどまっている。これに伴い、西海五島のワタリガニ漁獲量も増加。11月1日〜17日の漁獲量は13万9千キロと、昨年同期間の3万1千キロの4.5倍に達した。

さらに、聯合ニュースは韓国の国民安全処海洋警備安全本部のまとめで、11月に入って黄海特定海域を侵犯した中国漁船は1712隻で前年同月比57%減少した、と報じた。中国漁船の船長の多くは韓国当局が火器使用を強化したことを承知しており、許可証なしでほかの国の海域に入ったり操業したりしないようメールでやりとりしているという。(編集/日向)