東南アジア地域を中心に、世界で激しい高速鉄道受注争いを繰り広げている日本と中国。国を挙げたセールス合戦が展開されて、互いの一挙手一投足に対して相手国が敏感に反応する状況だ。(イメージ写真提供:(C)Sean Pavone/123RF)

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 東南アジア地域を中心に、世界で激しい高速鉄道受注争いを繰り広げている日本と中国。国を挙げたセールス合戦が展開されて、互いの一挙手一投足に対して相手国が敏感に反応する状況だ。

 中国メディア・今日頭条は2日、「シンガポール-マレーシア高速鉄道は、日本の新幹線を採用するのか」と題した文章を掲載した。これは、1日に安倍晋三首相が首相官邸にてシンガポールのトニー・タン大統領と会談し、新幹線のセールスを行ったという情報に反応したものだ。

 文章は、今回の日本側のアクションについて「日本の片思いに過ぎず、最後にサインをするまで分からない。多くの変数が存在する」とし、決して日本が優位に立っているわけではないとの見方を示した。その理由として3つの要素を挙げている。

 1つ目は、この鉄道建設はシンガポールとマレーシアというそれぞれ独立した2つの国にまたがるものであり、最終的に両国のの同意を得ないことにはプロジェクトを獲得することができない点とした。2つ目は、もとは同じマレーシア連邦に属しながら、マレー人の扱いを巡る政策の違いから袂を分かつこととなった両国の関係は複雑であり、シンガポールの同意を得ても、マレーシアからの同意がすんなり得られるとは限らない点を挙げている。ここではまた、両国が水供給問題などでしばしば対立を起こしていることも紹介した。

 そして3つ目には、日本の新幹線が確かな技術と経験を持つ一方で、建設費用が高価である点を挙げた。さらに、技術面においてもすでに新幹線を超越している、保有車両数が多い、さまざまな速度の列車を用意できるといった点を中国高速鉄道のメリットとして説明したうえで、「ゆえに、中国高速鉄道がこのプロジェクトを手に入れる可能性が高いのである」と結論づけた。技術については、昨今お馴染みとなっている「中国高速鉄道では走行中にコインが立ち続ける」という話が事例として挙げられている。
 
 両国の首都を結ぶ全長約350キロメートルの高速鉄道の開業予定は2026年。来年には国際入札が行われ、18年の着工が見込まれている。日中両国のアピール合戦は、これからさらに白熱することになるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Sean Pavone/123RF)