人工知能(AI)の活用について経済成長を押し上げるとの期待がされている。活用には賛否両論あるものの、働き手の多くが肯定的だった。

 アクセンチュア株式会社が11月17日に発表した最新の調査結果によると、人工知能(AI)が仕事のあり方を変え、人間と機械との新たな関係性を生み出すことで、2035年には先進12カ国の経済成長率が倍増すると予想している。

 例えば、日本のGDP成長率は、従来予想の経済成長を示す「ベースラインシナリオ」では0.8%増だが、AIの影響力が市場に浸透した場合に期待される経済成長を示す「AIシナリオ」では2.7%増と予想されている。他の主要国をみると、米国はベースラインシナリオが2.6%増でAIシナリオが4.6%増、英国はベースラインシナリオが2.5%増でAIシナリオが3.9%増、ドイツはベースラインシナリオが1.4%増でAIシナリオが3.0%増などとなっている。

 人の働き方も大きく変わりそうだ。同社によるとAI技術で人間がより効率的に時間を使い、創造的な仕事に集中できることなどから、2035年には労働生産性が最大で40%向上すると予想している。ベースラインシナリオと比較したAIによる生産性の向上率は、日本がプラス34%、米国がプラス35%、英国がプラス25%、ドイツがプラス29%などと予想されている。

 一方、現場で働くミドル世代の社員も、AIについて肯定的だ。エン・ジャパン株式会社は、同社が運営するミドル世代向けの転職支援サイトの利用者を対象に「今後の仕事への不安(AIに代替される仕事)」についてアンケートを行い、その結果を9月30日に発表した。調査対象は35歳から59歳の402名で、調査期間は8月1日から31日。

 AIの発展で今の仕事がなくなる可能性があることについて考えを聞いたところ、「良いと思う」が25%、「どちらかといえば良いと思う」が43%で、68%が肯定的に考えていた。「悪いと思う」は9%、「どちらかといえば悪いと思う」は23%だった。

 AIに代替されないと思う職種を聞いたところ、「営業・マーケティング系」が47%で最も多く、「経営・経営企画・事業企画系」(45%)、「クリエイティブ系」(42%)、「コンサルタント系」(35%)と続いた。一方、「事務・管理系」(9%)、「技術系(電気・電子・半導体)」(10%)、「金融系」(11%)を選んだ人は少なかった。

 AIの活用にはさまざまな意見があるが、今のところは期待が先行しているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]