南極海で調査捕鯨を行う日本の船団が1日に下関港を出発したのを受け、シー・シェパードは3日記者会見を開き、新たに導入した高速船など2隻を南極海に派遣、妨害を行うことを宣言した。4日、オーストラリアのタスマニア島を出発する予定。

 シー・シェパードが今回初めて実戦投入するのは、今年完成した高速船「オーシャン・ウォリアー」。全長53メートル、最高速度は25ノット(時速約46キロメートル)。同団体の過去の船舶や日本のあらゆる捕鯨船より速いという。

 公開されている諸元表によれば、日本の調査捕鯨母船である日新丸の最大速力は17.49ノット(時速約32キロメートル)である。全長は129.58メートル、元はトロール漁船であったものを日立造船が改造し、日本鯨類研究所が傭船して運用している。

 画像をご覧になっていただけばお分かりかと思うが、このオーシャン・ウォリアー号、舳先の鋭さが尋常でなく、まさに「凶悪な面構え」である。船の舳先というのはただの構造体ではなく、古代の海戦から今日の海賊の活動に至るまで、敵船に突撃して大穴を開けるためのれっきとした武器だ。調査捕鯨は来年3月まで続く予定であるが、くれぐれも死者など出ることのないように祈りたい。

 ところで、シー・シェパードとは一体何者であろうか。この問いに答えるのは実際のところそう簡単ではない。日本のメディアは一般に「反捕鯨団体」と呼んでいるが、彼らは捕鯨反対の為に結成されたわけでも、捕鯨反対活動だけで運営されているわけでもない。実は彼らは菜食主義を中心的な主張に据えており、クジラやイルカ以外の漁業、はたまたアザラシ漁などに対しても攻撃を行っているのである。

 シー・シェパード自身は、「国際非営利海洋野生生物保護団体」であると自称している。だが、対立者は彼らを「環境テロリスト」であると断じて憚らない。もっとひどい例になると、「海賊」だと言い切る人々までいる。

 シー・シェパードは、自分たちは一切犯罪を行っていないと主張する。これは真っ赤な嘘である。世界をまたにかけた長年のテロ行為の数々によって、代表のポール・ワトソンは国際刑事警察機構(ICPO)から指名手配されており、ドイツで逮捕された経歴もある(その上、保釈中に逃亡した)。

 彼らが近年、日本の捕鯨やイルカ漁に対する攻撃を活動の中心に据えているのは事実だ。その背景は色々あるのだが、一つには日本人の対応の甘さが指摘されている。フランスの漁業組合などは、「もしシー・シェパードがやってきたら、こちらから撃沈してやる」と宣言しているという。それ以後、シー・シェパードがフランス領海で目立った活動をしたという記録はない。日本人も、そろそろ毅然とした対応をするべきではなかろうか。