自閉症の少年のために製造会社が一肌脱いだ(出典:http://www.boredpanda.com)

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乳幼児が使う飲み口のついたカップを生産している会社「Tommee Tippee」が、このほどある14歳の少年のために500個のカップを作ることを約束した。そのブルーのカップは少年にとってなくてはならないものであり、生産中止となっていたカップを少年のためだけに再製造に導いたオンラインキャンペーンの効果が各英紙で報じられている。

英デヴォン州に暮らすベン・カーター君(14歳)は重度の自閉症であり、2歳の時から「Tommee Tippee」メーカーのブルーのシッピーカップ(Shippy Cup)でしか飲み物を口にしない。

そんなベン君のために、両親はこれまで同じカップを買い続けてきた。しかし使っていた何番目かのカップが古くなってしまったために、ベン君の父マークさんはこのほど新たに同じものを買おうとした。ところが製造元の「Tommee Tippee」は何年も前にこのカップの生産を中止していることが分かった。

そこでマークさんはツイッターにそのカップの写真を投稿し、息子が深刻な自閉症であること、このカップ無しではどんなに喉が渇いても水を一切口にしないこと、学校でも飲み物を全く口にしないこと、またそのせいでこれまで脱水症状も数回起こしたことがあることなどを綴り、

「これと全く同じカップを探している。あなたの子供が昔に使ったものでも構いません。戸棚の奥に眠っていたらぜひ譲ってください。息子のために、これと同じカップをどうか見つけてください」

とツイートした。

すると19,000以上のシェアが寄せられ、ハッシュタグ「#CupForBen(ベンのためにカップを)」というキャンペーンまで行われるようになったのだ。

拡散されたこのツイートを知った製造元「Tommee Tippee」のスタッフが、マークさんが探している同じ型のカップの在庫はないかと、各工場の倉庫を探しついに発見。そして「Tommee Tippee」はベン君だけのために、そのカップを再生産することを申し出た。

最初、1000個のオファーが来たというマークさんは「宝くじに当たってもこれほど喜ばないでしょう」と製造元「Tomee Tippee」とオンラインキャンペーンで協力してくれた人たちに感謝を隠せない様子だ。とはいえ、きっとベン君の生涯にわたっても1000個は使わないだろうと予測し、その半分である500個の再生産となった。

多くの人の善意で再生産が決まったカップは、来年1月にベン君のもとへ届けられるそうだ。少し遅れたクリスマスプレゼントになるが、今後壊れても心配する必要がないほど大量のカップが届くことを思えば、ベン君にとって多少待つことも苦痛ではないだろう。

「Tommee Tippee」からの配送に先立ち、世界中に拡散されたベン君のブルーのシッピーカップのツイートを見た人たちからは、すでにベン君のもとに6個のカップが届けられているという。そして現在も35個が配達段階にあるそうだ。500個の再生産を約束してくれた「Tommee Tippee」社や送ってくれた世界中の人たちの善意は、マークさんの言うように「宝くじよりも価値のあるもの」に違いない。

出典:http://www.boredpanda.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)