連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第9週「チャンス到来!」第53回 12月2日(金)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:中野亮平


2016年「ユーキャン新語・流行語大賞流行語大賞」のひとつとして「保育園落ちた日本死ね」が選ばれた翌日、タイムリーにも「べっぴんさん」で子供が保育所から入所を拒否されてしまった。この件について書く前に、53話のあらすじを・・・。

53話はこんな話


大手百貨店・大急とキアリスとの最初の打ち合わせが行われた。だが大急側は2工程減らそうと言い、すみれ(芳根京子)は「そんなことしたら私達のキアリスじゃなくなります。私達のつくったキアリスのものじゃなくなるなら、この話は全部なかったことにしてください。なかったことにしてください」と毅然と言う。

すみれ、芯の強さ発揮


打ち合わせの前面にいるのが男会(勝二と昭一)で、すみれたちのほうがオブザーバーみたいな位置に座っていることに男社会を痛感。
それでもすみれは言うことはちゃんと言う。立派である。
しかもすみれは、打ち合わせの前にちゃんと大急の偵察にも行っているのだ。おとなしいがしっかりしてる。
そこで「このとき、すみれは見てしまったのです」(語り/菅野美穂)と言ったのち、一回、別のシーンにして、いったいすみれは何を見たの? と引っ張る作劇テクニック。そして、すみれが見たのは、売れ残った商品の無残な扱われ方だった。
そしてこのとき、大島社長(伊武雅刀)もすみれが見てしまったことを見てしまった、ことも気になる。
というか、「見てしまったのです」って、44話の本田博太郎に続く「家政婦は見た!」の世界再び?

偵察のち保育所落ちた


保育所にお試し保育したすみれ(芳根京子)たちの子供たち。さくら(粟野咲莉)は寂しいながらもなんとか過ごせたようだが、良子(百田夏菜子)の息子・龍一(原知輝)は頭にケガをしてしまう。どうやら自分で暴れてケガしたらしく、保育所で預かれないと言われてしまう。
預かるのが仕事なのにと、さすがに「日本死ね」とは思わないながら、憮然となる良子。だったが、同じ年齢くらいの子供たちがたくさんいる場に入ってはっきりしてしまった龍一の落ち着きのなさ。それはキアリスでも発揮されて、ちょっと困ったことに。
すみれも紀夫も世間一般のリズムとやや違うタイプだが、龍一はとくに生活がし辛そうで、良子も勝二も困惑。

ちょうど再放送中の「ごちそうさん」53話では、ヒロインの義妹・希子(高畑充希)が、口数が激しく少なく内向的だが、焼き氷の唄を誰よりもすばらしく歌えるという名エピソードをやっていた。「あまちゃん」では主役自体がアキ(当時:能年玲奈、今:のん)が東京では引きこもり。朝ドラでは時々出てくる生きるペースが独特な子として、龍一が今後どういうふうに描かれるか気になるところ。

気になるといえば、この男


明美(谷村美月)の元に、玉井(土平ドンペイ)が単刀直入に「相棒にならへんか」と誘いに来る。へへへっという笑い方があからさまにやな感じ。
でも明美は、夜、誰か訊ねて来ても開けちゃダメだと思う。あさやには麻田(市村正親)も住んでいるのかもしれないが、強そうではないし。何かあったらどうする! キアリスに住み込みの足立武(中島広稀)も駆けつけてくれるから大丈夫なのか。おつきあいのあるメリヤス工場の息子の武役・中島広稀は、「とと姉ちゃん」62話で、お竜(志田未来)と行動を共にしていた少年・銀太を演じていた。山田孝之、柳楽優弥、窪田正孝、濱田岳、太賀・・・など若くして演技力ある俳優を輩出し続けるスターダスト所属なので今後に期待したい存在だ。
(木俣冬)