土日は起きたら昼過ぎ...は睡眠不足サインです

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健康な人でも、自覚していない睡眠不足が平均1時間程度存在し、自覚がないゆえに長期間その状態を持続してしまい、健康リスクとなっている可能性もある――これまで測定が難しいとされていた個人の睡眠不足度を評価した研究が、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の北村真吾室長、三島和夫部長らのグループによって発表された。

睡眠不足は、生活習慣病やうつ病リスクを高める危険因子のひとつであり、近年は糖尿病リスクとの関係も指摘されている。

どの程度不足しているのかを判断するためには、必要睡眠時間を知る必要があるが、睡眠時間には大きな個人差が存在すると考えられ、大規模調査での平均値(7〜8時間)しか把握できておらず、特定の睡眠時間を睡眠不足解消の目標値として出すことは難しい状態だった。

北村室長らは、健康な成人男性15人(平均年齢23.4 歳)を対象に、自宅での2週間の睡眠時間を記録し、平均7.37時間という「習慣的睡眠時間(自宅での実際の睡眠時間)」を算出。

その後、特殊な実験室内で9日間にわたり就床時間を12時間に延長し、睡眠を充足(飽和)させる実験をおこなった。

一般的にこうした試験では、開始当初は日頃の睡眠不足の反動で長時間眠るが、日ごとに充足され、睡眠時間は減少していく。

被験者たちは事前の調査で、普段の生活で睡眠不足を自覚していない(眠気を感じることがない)としていたが、試験に入ると、初日の睡眠時間は10時間以上に達し、その後も習慣的睡眠時間を上回る平均8.41時間で定常化。

この1時間の差を、自覚していない睡眠不足「潜在的睡眠不足」とした。実験後に被験者を調査すると、空腹時血糖値が低下し、細胞代謝に関わる甲状腺刺激ホルモン濃度が上昇。逆にストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾール濃度は低下していた。

潜在的睡眠不足度を個人で推定するのは難しいが、今回の研究で被験者が自宅よりも3時間ほど長く眠っていたことから、「休日の寝だめ」の長さが目安になり、休日に長時間の寝だめをしないで済む睡眠時間の確保が、潜在的睡眠不足を予防する目標となるとしている。

発表は2016年10月24日、英科学誌Nature 系列のオープンアクセス科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

参考論文
Estimating individual optimal sleep duration and potential sleep debt.
DOI: 10.1002/jbmr.3024

医師・専門家が監修「Aging Style」