JR九州が農業参入で卵が人気に

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 有名企業の事業を見てみると、「本業」からは想像もつかないような意外な組み合わせの「副業」を手掛けているケースがある。養鶏業に参入するJR九州もその1社だ。

 休耕田が目立つようになった九州。もう一度車窓からの原風景を楽しんでもらいたいと考えたJR九州は、2010年に農業参入した。

 中でも卵は、1個50円以上という高価格ながら、品質の高さで人気だ。『うちのたまご』ブランドで羽田空港やデパートなどで販売され、豪華寝台列車『ななつ星in九州』の食事にも使われている。卵を割ると、黄身の周りに膜ができるほど白身が強い。

 福岡県飯塚市にある4000平方メートルの養鶏場では、約9600羽の鶏を飼っているが、数は通常の10分の1に抑えて飼育する。餌は、トウモロコシや大豆など天然素材だけとこだわる。

 養鶏場長の北島忍氏は、数年前まで九州新幹線の車掌を務めていた。鉄道とかけ離れた事業に戸惑いはなかったのか。

「手抜きをしたら品質を損なうし、お客様に迷惑をかける。安全や安心を提供するという点は同じです」

撮影■藤岡雅樹

※週刊ポスト2016年12月9日号