身体の様子がいつもと違っても、無理してやり過ごすうちに治ってしまったという経験はありませんか?

写真拡大

 またインフルエンザの季節がやってきた。厚生労働省などの情報によれば11月末時点で警報は出ていないが流行の兆しはあるようだ。風邪の季節の到来でもあるが、インフルエンザを「流感」(流行性感冒=流行性の風邪)と呼んでいたのもふた昔以上前のこと。インフルエンザが厳密にはいわゆる風邪でないことは今や広く知られている。ではいわゆる「風邪」とは何なのか。

症状がまぎらわしいので、実は別の病気だったというケースも

 風邪とはウイルスが上気道(鼻やのど)に感染することで起こる急性の炎症の総称である。診断前の段階では、後述のいくつかの症状を共通点とする「かぜ症候群」がいわゆる風邪のことだと考えていいだろう。診断後の病名としては「急性上気道炎」だ。

 主な症状とされる鼻水やのどの痛み、発熱などは、ウイルスに対するからだの防御反応によるものが中心だ。発熱や身体のだるさだけ、あるいはあまり熱は上がらないがせきが出てのどが痛むなど症状は様々で、病院で医師の診断と治療を受けなくてもいつのまにか治ってしまうことも多い。例えば高熱の出る風邪をひいたが病院にかからずに治ってしまった場合(それ自体はよいことだが)、風邪だったのか、インフルエンザが運良く悪化せずに済んだのか、はたまた他の病気の症状だったのかはわからないままだ。

 風邪のような症状が出る病気はあまりに多い。風邪が「万病の元」と呼ばれる理由のひとつがこのまぎらわしい症状にある。「今回の風邪は腹にきてキツかったがなんとか治った」というケースはノロウィルスなどの感染によるものかもしれない。発熱や全身のだるさは多くの病気に共通するものだし、それに腹部の痛みが加わった場合、内臓の病気、たとえば肝膿瘍かもしれない。

 もちろん実際に「万病の元」であるケース、つまり風邪が悪化して重病にいたるケースもある。例えば「肺炎」だ。風邪(急性上気道炎)と肺炎は違う病気だが症状に共通点がある。風邪が悪化して肺炎になる場合もあり、子どもや高齢者に多いとされるが、働き盛りのビジネスパーソンにも決して珍しくはない。命に別状があるわけではないが、やっかいな蓄膿症・副鼻腔炎も風邪と似た症状を持ち、風邪を引くことにより悪化することもある。とにかく「風邪のようだが症状が重い」「風邪が長引いている」という場合には注意が必要だ。

「風邪や水虫の治療薬を発明したらノーベル賞もの」と言われていたこともあったが、水虫は治療できる時代になり、風邪についてはいまだに確固たる治療法はない。急性上気道炎を引き起こすウイルスや細菌の数は多く、特定の「風邪ウイルス」なるものが存在しないせいもある。熱や頭痛などの症状がつらいなら薬で抑えつつ、とにかく睡眠、水分、栄養をとることで対応するしかないのだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)