2年連続の賞金女王に輝いたイ・ボミ【写真:Getty Images】

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今後も日本ツアー挑戦は増加傾向? 韓国人選手が海外進出を選択する理由

 今シーズンの国内女子ゴルフツアーの優勝者を振り返ってみると、全38試合中、23試合が外国人選手の優勝。特に韓国人選手の優勝回数が17回(イ・ボミ5勝、キム・ハヌル2勝、申ジエ3勝、李知姫2勝、アンソンジュ2勝、全美貞2勝、姜秀衍1勝)と群を抜いている。

 これは日本に限ったことではない。今年の米女子ツアーでも世界ランキング3位のチョン・インジ、同8位でリオ五輪金メダリストのパク・インビなどの活躍ぶりはご存知の通り。

 韓国人プレーヤーが世界のゴルフツアーを席巻しているのは、今さら強調する話でもないが、これからもこうした勢力図は続く傾向にある。

 今年の日本の女子ファイナルクオリファングトーナメント(QT)にも、7人の韓国人選手が出場しており、来年もまた新たな刺客が日本でその力を発揮すると予想される。

 なぜ、韓国の選手は米国や日本の海外進出を選ぶのか――。

「シード選手が30人ほど入れ替わるなんて…」

 今年の日本ツアーのヤマハレディースオープン葛城で3位タイに入り、韓国人のユン・チェヨン。プロ転向して11年目を迎えるが、まだ韓国女子ツアーで1勝(2014年)しかしていないというのだから驚きだ。彼女が韓国ツアーの現状についてこんな話をしてくれた。

「韓国女子ツアーは年々、試合数も賞金額も増えています。その理由の一つにアマチュア時代に国家代表で鍛えられた若くて強い選手が、次々と出てくることが挙げられます。米女子ツアーで活躍するキム・ヒョージュやチョン・インジなどの実力者が後を絶ちません」

 韓国女子ツアーは昨季から、賞金ランキング60位までに賞金シードの付与が決まった。選手にチャンスは広がる一方、毎試合の出場人数は120〜140人に増えた。それがより競争を増す要因となった。ユンは苦笑いしながらこんなことを口にした。

「3〜4日間のうち、1日は7アンダーくらい出さないと韓国ツアーでは優勝できません。毎年、シード選手が30人ほど入れ替わるなんておかしな話と思いませんか?(笑)。活躍できなければスポンサーはすぐに離れます。シードを落とすと2部ツアーで生活するのは難しい」

金ソヨン「日本はゴルフをする環境がとても優れてている」

 昨年、プロになって初めて韓国ツアー2部を経験した29歳の金ソヨンは、昨年初めて日本のQTに挑戦し、28位でツアーフル参戦を勝ち取った。

「若手の実力に押され、20代後半になると引退する選手がほとんど。私もゴルフをやめようとも思ったのですが、1度も優勝できていないので、諦めきれずに日本挑戦を決意しました。日本はゴルフをする環境がとても優れています。選手がゴルフにだけ集中できる環境が整っているので、技術も向上していきます」

 韓国の女子ツアーも試合数や賞金額が増えているが、若手の勢いはとどまることを知らない。20代後半の選手がそれに押し出されるように日本へやってくる。

 イ・ボミやキム・ハヌルも日本ツアー挑戦を決め、20代後半にして輝きを放っているのも、大きな道しるべだ。韓国から日本を選択する選手はこれからも増える傾向にあるのは確かのようだ。

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim