【意外と知らない】エンジンルームを横切る「タワーバー」の役割とは?

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タワーバーのあると10%ぐらいサスペンションがよく動く

乗用車ベースのツーリングカーのことを「ハコ(箱)車」というように、今のクルマのボディは、箱型のモノコックが基本。モノコックボディで剛性を高めるには、ボディがきちんと箱型になっているのが理想。

しかし、エンジンルームやトランクルームを見てみると、バルクヘッド、サイドパネル、フロント(リア)パネル、サスペンションメンバーと前後左右と下まわりは、しっかり箱状になっているが、箱の蓋の部分は、ボンネットが乗っかっているだけで、剛性パーツとしては機能していない……。

つまりこの部分に関しては、蓋のない弁当箱のような状態で、タイヤからの入力が、スプリングとダンパーを経てボディ側に伝わったとき、蓋がないぶん力が逃げやすく、ボディがゆがみやすくなっている。

生産性や整備性の問題で、ここに固定された強固な蓋を入れるわけにはいかないが、ダンパーの上側の取り付け部、いわゆるストラットタワーを左右で繋げて蓋代わりにし、この部分の剛性アップを図るための補強バーとして開発されたのが(ストラット)タワーバーだ。

トヨタの86・BRZや、RX-7、RX-8、ロードスターなどのマツダ車、インプレッサやフェアレディZ、インテRなどのスポーツカーにも、標準装着されていることからもわかるとおり、その補強効果は折り紙つき。

タワーバーのあるクルマとないクルマとで比較すると、同じ車種、同じタイヤ、同じサスペンションでも、同じ横Gのコーナリングをしたときに、タワーバーのあるクルマのほうが、10%ぐらいサスペンションがよく動く(ストロークする)とされている。

補強されたほうがサスがよく動くのは、補強前のボディでは、サスペンションが縮むのに合わせ、ボディも一緒に歪んでしまい、そこで力が抜けて、サスペンションの仕事が減ってしまったからにほかならない。

ストラットタワーの剛性は、サスのジオメトリーを確保するための重要な部分でもあり、ここの剛性が高まると、サスの動きがよくなるだけでなく、ステアリングの切れやレスポンスも向上する。

また、ボディの歪みを押さえることで、新車に近い状態から装着しておくと、ボディのヘタリ予防の面でも効果的。

デメリットは若干の重量増と、クラッシュしたときの影響が大きくなること(例:左側面への衝突が、タワーバーを通じて右側にも伝わる……)。価格も1万円前後からあり、エンジンルームのドレスアップパーツとしても活用できるので、比較的コストパフォーマンスが高い、後付け部品としてもおすすめできる。

(文:藤田竜太)