分配金額が多い毎月分配型投信の落とし穴に要注意! 安定運用を目指すはずが、高リスクな「リート型」に 投資先が偏ってしまった投資家へのアドバイスとは?

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投資信託は、長期の資産作りを念頭に、安定運用目的で保有する人も多い。しかし、保有する投資信託の本当の実力やリスクがわからなければ、大きく損をしてしまう可能性も!そこで、ダイヤモンド・ザイ1月号では、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらうことに。

診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。国内籍投信4300本の投信をすべて公平中立で評価し、各年齢層からの予約が殺到している投信診断のプロだ。ここでは、その厳しい(?)診断結果の一部を紹介しよう!

★保有投資信託に不安を感じる読者・佐田さん
佐田圭介さん(仮名・神奈川県・60歳) 
安定運用目的で、リート型の投資信託を買ったが資産が大きく減少…。分配は以前の3分の1にまで減ってしまった。


★佐田さんが保有する投資信託
フィデリティ・USリート・ファンドB
◎楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)

その他

佐田さんの保有銘柄の診断結果(1)
⇒「フィデリティ・USリート・ファンドB」(保有額の44%)

「フィデリティ・USリート・ファンドB」は、高分配で人気のリート型投資信託です。6カ月ごとの成績も同タイプ内で、平均以上をキープしています。

 ただし、気をつけなければいけないのは、過去1年の分配金を直近の基準価額で割った分配利回りは28.4%ですが、1年間の基準価額の下落を加味した分配合計を1年前の基準価額で割った利回りはマイナス8.3%という点です。しかもこの投資信託が得ている利子・配当収入の利回りはわずか3.4%です。つまりリートの年20%超の値上がり益がないと基準価額の下落は止まらない計算です。

 リート型は、リーマンショック後の回復期は年率2ケタで上昇していましたが、この1年の分配金再投資の騰落率はマイナス9.2%。この高分配を続けると、さらに基準価額が下がり、減配もあり得るでしょう。

佐田さんの保有銘柄の診断結果(2)
⇒「楽天USリート・トリプルエンジン」(保有額の35%)

 さらに佐田さんは、「楽天USリート・トリプルエンジン」を保有しています。佐田さんは、この投資信託が通貨選択型のブラジル・レアルに加え、一定水準の値上がり益を捨てて利子を得るカバードコール戦略も組み合わせていることを理解して投資しているでしょうか。

 購入した3年前には140円だった分配金は増配と減配を経て今や50円。利子・配当収入が非開示なので、分配金が適正かどうか正確にはわからないのも難点です。

 大幅に下落した基準価額は、すぐに回復しない可能性が大きいため、「安定運用」の目的には適さない投資信託と思われます。

ポートフォリオの診断結果は…
リート型偏重はリスク過多で危険!
安定増を目指すなら債券型にも分散投資を

 安定運用を希望しているのに、保有投資信託の3本中の2本が、株式型並みにリスクの高いリート型に偏っているのは問題。しかも1つは値動きの荒いブラジルレアルの通貨選択型なのでさらに高リスクです。

 安定運用を目指すなら為替ヘッジ付きの先進国債券型などの組み入れも必要です。また、10〜15年後に使うお金は、毎月分配型ではなく1年決算型のほうが複利効果が期待でき資産拡大に向いていると思われます。

保有投資信託に関する悩みは十人十色…
ダイヤモンド・ザイ1月号ではその他9人の患者を診断!

 さて、ここまでは投資信託診断室の読者1名に対する診断を紹介してきた。ダイヤモンド・ザイ1月号は、その他9名分の診断も紹介している。さまざまなパターンの投資信託保有者がいて、お悩みの種類も多様なので、今現在手持ちの投資信託をどうするか決めかねている人は、記事を参考にして解決の糸口を見つけよう。

(※関連記事はこちら!⇒「いい投信」「悪い投信」をプロがメッタ斬り!悩める読者が保有する投資信託それぞれの評価と投資目的と全体のポートフォリオを徹底診断!)

 さらに、今回診断をしてくださった「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さんが解説する『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイと投信の窓口が作った投資信託のワナ50&真実50』も11月末に発売になったばかり。全国の書店やアマゾン、楽天ブックスにて発売中なので、ぜひチェックを!