北朝鮮で薬物汚染が広範囲にわたり、住民の30%以上が薬物を使用しているとの分析が出ている。

北朝鮮の人権実態を調査する「北朝鮮人権情報センター」(NKDB)が、北朝鮮の薬物問題を解決するために設立した「北朝鮮麻薬類監視機構」のイ・グァンヒョン研究員は1日、ソウルの韓国プレスセンターで開催された「北朝鮮麻薬類問題セミナー」の発表文でこのような実態を明らかにした。

イ研究員は、脱北者との聞き取りを通じて、北朝鮮住民の薬物汚染の実態を調査。その結果「北朝鮮住民にとって薬物は『日常』『文化』になってしまった。誰でも薬物に簡単にアクセスできる構造的環境が明らかになっている」と分析した。

また、「少なくとも30%以上の北朝鮮住民がメタンフェタミン(覚せい剤)やアヘンなどの薬物を使用していると見ていいだろう」と述べた。

快楽を得るためだけでなく、病気治療に有効であると思い込み日常的に薬物を使用しているとの証言や、青少年、さらには6歳の幼稚園児まで使用する様子を見たという証言もあるという。

また、他の発表者であるヤン・オクキョン梨花女子大学社会福祉学科教授は「北朝鮮の国家機関によって生産、流通された薬物が、1990年代以降は徐々に国内に拡散して、住民の身体的、精神的健康に深刻な脅威となったと見られる」と述べた。

ヤン教授によると、最近脱北した人ほど薬物に接触(生産・販売・密輸を除く)した経験が多く、北朝鮮住民の薬物使用の実情を認識しているという。「薬物に接触した経験」については、1990年代は脱北者の4.7%だったが、2013年には26.8%、2014年には25.0%、2015年には36.7%と、増加傾向を示したという。

発表者らは、韓国はもちろん、中国、ロシアなど周辺国が協力して、北朝鮮国内の薬物汚染問題の解決に努力すべき時期に来ていると強調した。

イ研究員は、「北朝鮮の薬物汚染は統一後の問題ではなく、現時点の『安全保障』の問題ともいえる。超国家的犯罪に拡大される前に、共同の努力と解決が必要な時期が来ている」と強調した。

さらに、「薬物汚染問題で、脱北者たちに対する誤解と偏見が起きないような、積極的な措置が必要だ」と提言した。