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このほど、全世界のマイクロソフトのセールス、マーケティング、サービス、オペレーションを統括するジャンフィリップ・クルトワ氏が来日し、「デジタルトランスフォーメーション」を中心に、同社の最新の取り組みについて語った。

○国内でプレオーダーが開始したHoloLens

クルトワ氏は「われわれはビジネスにイノベーションを起こすため取り組んできた」と語ったうえで、「デジタルトランスフォーメーション」に対する取り組みの例を3つ紹介した。

最初に紹介されたのは、今年9月に発表された、富士通とのワークスタイル変革を実現するグローバルコミュニケーション基盤の導入促進に向けた連携強化だ。その一環として、富士通はグローバルで約16万人の従業員が用いるコミュニケーション基盤をOffice 365などと連携させ、マルチクラウド型に刷新する。

次に、今年4月に発表されたトヨタ自動車との取り組みが挙げられた。両社は共同で、市場での車両から得られる情報の集約と解析、その結果の商品開発への反映を目的とした新会社「Toyota Connected」を米国に設立し、新会社はマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を採用している。

9月には、マイクロソフトが、2017年FIA世界ラリー選手権におけるTOYOTA GAZOO Racingの「テクノロジー・パートナー」として参画することで基本的合意に達したことが発表されており、トヨタはマイクロソフトの技術を活用してレース活動やチームデータ共有のための情報プラットフォームを開発し、レース活動を強化していくとしている。

クルトワ氏は3つ目の取り組みとして、12月2日から国内でプレオーダーが開始される「Microsoft HoloLens」を紹介した。「HoloLens」は自己完結型ホログラフィック コンピュータで、「仮想世界と現実世界を1つにするMixed Realityにより、新たな経験を提供する」と同氏。

また、調査会社のIDCが、VR(仮想現実)と AR(拡張現実)の市場について、世界における売上が2016年の52億ドルから 2020年には1620億ドルに拡大すると予測していることを引き合いに出し、「これからまったく新しいカテゴリーの市場が形成され、デベロッパーがアプリを開発することで、ライフスタイルや働き方を変える」とした。

クルトワ氏は日本市場についても言及し、「日本では、ヘルスケアや教育分野において、革新的なアプリの導入事例が出てくるのではないか」との見方を示した。

○Azureの強みは規模・信頼性・拡張性

さまざまなベンダーがハイブリッドクラウドへのシフトを強化する戦略を打ち出す中、パブリッククラウド市場の競争も激化している。クルトワ氏は、Microsoft Azureを中心としたクラウドビスネスについても説明を行った。

まず、クラウド事業の業績については、「日本は非常に順調」であり、グローバルについては2018年に売上を200億ドルまで伸ばすという目標を示した。また、クルトワ氏は「Fortune 500に含まれている企業の80%がAzureを使っている」としたうえで、会社として正しい方向を進んでいると述べた。

そして、Azureの強みとして、「ハイパースケール」「信頼されている」「拡張性が高い」という3点を挙げた。

ハイパースケールとは、容量の大きさを指す。「われわれは世界中にデータセンターを設置しており、150カ国以上でサービスを提供している。パブリッククラウドの中で最も容量が大きいと言える」(クルトワ氏)

信頼性については、各国の法を順守することを徹底しており、セキュリティとコンプライアンスを十分確保しているという。

拡張性については、データセンターで構築したシステムをパブリッククラウドでも展開できるなど、クラウドと同等の可用性をオンプレミスでも提供することができる点で、GoogleやAmazon Web Servicesよりもアドバンテージがあるとした。

クルトワ氏は、企業が生産性を向上する手助けをするツールとして、クラウド、デバイス、マシンラーニング、Office 365を挙げた。今回、国内でHoloLensのプレオーダーが始まり、出荷の見込みが立ったことで、マイクロソフトは新たな局面を迎えることになる。

来年も企業では、デジタルトランスフォーメーションが加速することが見込まれる。そうしたなか、同社のソリューションがどのような形で活用されていくのか興味深い。