世界各国の祝祭日の過ごし方はそれぞれだが、一つ共通点がある。それは家族で美味しい物をたくさん食べること。

 先日、米マサチューセッツ内科外科学会発行の「NEJM」にユニークな研究結果が報告された。

 米コーネル大学の研究チームによるそれは、米国、ドイツ、そして日本の国民の祝日と体重の変化率の関係を調べたもの。

 方法はいたってシンプル。2012年8月〜13年7月の調査期間中、約3000人の参加者は毎日ネットワーク対応の体重計に乗り、研究者が送られてくる体重の変化を記録し続けた。

 日本の参加者は383人(平均年齢41.6歳、平均体格指数:BMI24.7)で、11%がBMI25以上の肥満だった。

 さて、結果である。各国とも体重増のピークはクリスマス〜新年の家族や友人とともに過ごす時期。クリスマスを挟んだ10日後と10日前で体重を比較したところ、3カ国ともクリスマス後に有意に増加。新年のピークを挟んで、元の水準に戻るまで、約5カ月を要することがわかった。

 年間の体重変化をよくよく見ると、体重の増減にも社会文化的影響があることがよくわかる。年末年始が体重増のピークなのは各国共通だが、GW近辺に体重増の山があるのは、日本だけ。

 一方、米国の第二のピークは感謝祭が始まる11月末頃から。

 感謝祭は北米の大事な行事で、毎年この時期には家路を急ぐ人々で各交通機関が大渋滞に陥る──。この研究が今時期に公表されたのはこのためだろう。また、ドイツの第二ピークは4月の復活祭(イースター)近辺。こちらも家族が集まる大切な休日である。

 実は日本には独特の山がもう一つある。それは3月末〜4月にかけて。新年度の歓送迎会で飲食機会が増えるためと思われる。

 つまり日本人は、年末年始の体重増を消化しきれないまま、新年度の歓送迎会、GWの「太りやすい時期」に突入するわけなのだ。

 年末年始からの約半年間、社交上の飲み会が大切なことはよくわかりますが、健康管理のうえでは、ほどほどに。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)