「恋愛が長続きしない…」ゲイから学ぶ“長く付き合うコツ”

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鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】 vol.24

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

これまでは、僕の同性愛者としての経験や人生観を交えながら、質問にお答えしてきました。
今回は、同性愛者が実際にどんな恋愛をしているのか、その中身を見ていきましょう!

詳しく知りたいけど、なかなか知る機会のない“同性愛”の話題。
【ゲイだけど質問ある?】では、オープンリー・ゲイの鈴掛真が、みなさんの気になる疑問・質問にお答えしていきます!

質問 【男女の恋愛と違うところは?】

BLコミックを読んだことはあっても、ほとんどの女性が現実のゲイカップルをその目で見たことはないと思います。どんな会話をして、どんなデートをしているのか、気になりませんか?
フフフッ……。

まず男女の恋愛と決定的に違うところは、当然のことながら同性同士だということ。
同性カップルには、いわゆる男役・女役があると思っている人もいますが、多くのゲイカップルは、2人ともが自分のことを男だと認識しています。

どういうことかというと、デートといっても、いっしょにランチをしたり、映画を見たり、お酒を飲んだり……会話も「最近仕事どう?」とか「この前見たテレビ番組が面白かったんだけど」とか「あ、今すれ違った子、可愛かった!」といった具合……。
やってることや会話の内容は“男が仲の良い男友達と過ごす休日”とほとんど変わらないんです。BLコミックのようにドラマチックな展開で声に出すのも恥ずかしい情熱的なセリフを交わすことはまずありません!
(ただし、夜のラブタイムとなれば話は別です。笑)

男女の恋愛と具体的に何が違うかといえば、そこには“同性ならではのシンパシー”があります。
「もう! なんで男っていつもああなの!?」
「やっぱり女って生き物はわかんねーな……」
そんな、異性同士だからこそ解り合えなかったり、食い違ったりすることが、ゲイ同士にはありません。だって両方、男だから。
デートコースひとつとっても、男女では好みや興味を持つものが違ってきますが、男同士ならお互いのツボを理解しやすくなります。それはいわば、痒い所に手が届く感じ。基本的に干渉し過ぎない、依存しない、サバサバとした関係が築かれます。

「じゃあゲイの恋愛って、意外と男女の恋愛より上手くいきそうね!」と思うかもしれませんが、ところがどっこい。
僕、恋愛が長続きしないんですよね……。
数年間連れ添った相手もいましたが、ほとんどの恋愛が1年未満で終わりを迎えてきました……。

というわけで今回は、これまでの恋愛が長続きしなかった原因を、僕なりに反省してみることにしました!
同じく「恋愛が長続きしない……」とお悩みのみなさん、ぜひ僕の経験を反面教師にして、今後の恋愛に役立てていただけたらと思います!!

【原因?】好きすぎて、好きすぎて……引かれる!

これまでの経験の中で、心の傷として最も深く残っている恋愛についてお話しましょう……。

約2年間の片思いの末、念願叶って付き合えた相手がいました。名前はN君としましょう。
もう気分は、長年のファンだった憧れのアイドルとひょんなことから付き合えることになっちゃったアイドルオタクのよう! デュフフ……。
毎日がハッピー♪ 毎日がスペシャル☆
「今日どこ行きたい?」
「ううん、N君の行きたいとこがいい!」
「何か食べたいものある?」
「ううん、N君の食べたいものがいい!」
僕は、とにかく彼に従順でした。恋人というより、もはやシモベ。もはや下僕。
もっと彼に気に入られたいから! 1ミリでも彼の機嫌を損ねたくないから! デュフフ!!

でも、この調子では、いくら“同性ならではのシンパシー”があったところで、上手くいくわけがありません。
そうして数ヵ月後。彼はこう言いました。
「なんか、自己主張が無さ過ぎて、気味が悪い……」
ひっ、ひどい! ひどすぎて笑える!!(笑)
でも確かに、ドン引きするくらい僕はイエスマンだったんだと思います……。

それから少しずつ自己主張するように心掛けましたが、2人の心の距離が縮まることは、ありませんでした……。

【原因?】好きすぎなくても……それはそれでダメだった!

じゃあ、もっと自分が冷静になれる状況ならどうだったかというと……5年ほど前に付き合っていたM君との恋愛は、“愛するより愛される恋愛”でした。
相手が年上だったこともあって、僕が行きたいところへ付いて来てくれるし、食べたいものをいっしょに食べてくれる。かといってイエスマンでもなく、適度に自己主張もしてくれる。
正直、とても居心地の良い恋愛でした。これなら長く続きそう!!

そう思ったのに、M君とも半年ほどで別れてしまいました……。
それは「僕の気持ちがM君自体に向いていないかもしれない」と気づいてしまったから。

同性ならではのシンパシーに加えて、愛されていることの安心感……そんな心地よさにヌクヌクしてしまったけど、やっぱり恋愛において最も大切なのは、お互いの思いやりです。
僕だけが美味しい蜜を吸って、彼には愛情を注げていないせいで、結局気持ちがすれ違ってしまったのでした。

【反省】恋愛は、始めるものじゃなく、続けるもの!

世間では、10年前には無かったはずの『婚活』『恋活』なんて言葉が蔓延っています。
自ら積極的に活動しなければ、恋愛がしにくい時代。
そんな中、僕はふと思うことがあります。
恋愛自体が目的になってしまっているんじゃないか、と。

今思えば、N君とも、M君とも、相手と付き合えた時点で“恋愛をする”という僕の目的は達成してしまっていたように思います。
当然のことながら、恋愛は“相手ができた”段階では、ただ“始まった”だけ。2人の人間が、その先の長い年月を寄り添って“続ける”ものだということを、すっかり忘れてしまっていたのかもしれません。

そしてもちろん、恋愛には“相手”がいます。相手とまっすぐ向き合って、心を正直に通わせることが何より大切なんだと、改めて痛感しています。
自分だけ浮かれていたり、自分だけヌクヌクしたりしていては、長い年月を共にできません。
恋愛は1人でするものではないんですから!

質問、お待ちしています!

鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】第24回、いかがでしたか?
次回は、【ゲイかどうか確かめる方法は?】という疑問にお答えしたいと思います。

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【今週の短歌】
「行き先の
ない恋だね」 と
言われれば
そうだそうだね
そうかもしれない
 

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【ゲイだけど質問ある?】 バックナンバー

●vol.23 【どんなときに差別を感じる?】
●vol.22 【もしも同性を好きになっちゃったらどうしよう!?】
●vol.21 【生まれ変わってもゲイになりたい?】
●vol.20 【ノンケと付き合ったことある?】
●vol.19 【同性婚って意味あるの?】

鈴掛真プロフィール


鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
愛知県春日井市出身。東京都在住。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
雑誌『東京グラフィティ』で連載中。
Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

●Twitter http://twitter.com/suzukakeshin
●ブログ さえずり短歌
●オフィシャルWEBサイト http://suzukakeshin.com

Written by 鈴掛 真