アトレティコ・ナシオナルが飛行機事故を追悼、10万人近いサポーターが集う

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航空機の墜落事故により所属選手の半数以上を失ったシャペコエンセと、コパ・スダメリカーナの決勝で対戦する予定だったアトレティコ・ナシオナル。

クラブは事故発生後、同大会のタイトルをシャペコエンセに譲るように提案。さらに、試合が開催されるはずだった30日に追悼セレモニーを行うことを明らかにし、サポーターへ白い服の着用と白いロウソクを持参するよう求めた。

迎えた30日(日本時間1日)、彼らのホームスタジアムであるエスタディオ・アタナシオ・ヒラルドは真っ白な服を着た超満員のサポーターで埋め尽くされた。

軍隊によるトランペットの演奏の間、サポーターはロウソクに火を灯して黙祷。その後、多くの人が涙を流しながら、"Vamos Chape!"「行け、シャペ(シャペコエンセの愛称)!」の大合唱でエールを送り、サッカーを愛する同志たちの死を悼んだ。

だが、エールを送ったのはスタジアムに詰めかけた彼らだけではなかった。

入場できなかったサポーターが大挙して詰めかけ、スタジアム周辺を埋め尽くしたのだ。

正確な数字は出ていないが、スタジアムの収容が約5万人であることから累計で10万人近くがこの追悼式に訪れたのではないかと思われる。

サッカー史上最悪の一つとなった事故とはいえ、対戦相手の追悼にここまでのことができるのもサッカー文化が成熟しているからこそであろう。ただ強いだけが「サッカー強国」ではないことを彼らは教えてくれているかのようだ。