2016年で第5回となる「ブラック企業大賞」のノミネートが発表されました。大賞の発表は12月23日(金)で、事前にウェブサイトから投票することも可能となる予定です。

ブラック企業大賞: 第5回 ブラック企業大賞2016 ノミネート企業&選定理由

http://blackcorpaward.blogspot.jp/2016/12/2016.html

◆エイジス(参考その1:千葉市の会社に是正勧告 千葉労働局全国初公表、最長月197時間 違法長時間労働 | 千葉日報オンライン、参考その2:きょうの動意株 | エイジスがストップ安、厚労省から「ブラック企業」の烙印 | 会社四季報オンライン、)



厚生労働省が違法な長時間労働を繰り返している企業の指導や公表を実施している中で、全国初の企業名の公表事例。4営業所で月最長197時間の長時間労働があったのが原因。



◆電通(参考その1:ある広告代理店新入社員の死 - Togetterまとめ、参考その2:電通過労死の「1日20時間労働」「性的見返り」など生々しい実態→大学教授「残業100時間くらいで死んでしまうとは情けない」 - Togetterまとめ、参考その3:過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで (1/4) 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版



東京大学文学部卒の高橋まつりさん(当時24)が過労自殺し、Twitter上にその過労の様子が克明に記録されていたため、大きな衝撃が走った事件が原因。



この件をきっかけにして、実は電通では2013年にも当時30歳の男性社員が過労自殺しており、25年前の1991年にも当時24歳の男性が自殺し労働法の分野では「電通事件」として有名だったことが発覚、ついに全国から集められた労働局職員ら88人による異例の規模の強制捜査が行われる事態に発展したもの。関連してGIGAZINEが2007年に書いた記事「電通「鬼十則」、そして電通「裏十則」 - GIGAZINE」も大ヒットしました。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。

2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。

3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。

4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。

6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。

7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。

8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。

9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。

10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

◆ドン・キホーテ(参考その1:ドン・キホーテ5店舗で「違法」長時間労働 最長415時間超の時間外 責任者8人を書類送検 (1/2ページ) - 産経ニュース、参考その2:ドンキに違法残業で罰金50万円 東京簡裁命令  :日本経済新聞



従業員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策として東京と大阪の労働局にできた「過重労働撲滅特別対策班」による書類送検の3例目。労使協定で定めた3ヶ月120時間を42〜287時間超える時間外労働をさせたもので、罰金50万円。親会社からは「略式命令を真摯に受け止め、全社を挙げて関係法令の順守を徹底する」とのコメントあり。

◆プリントパック(参考その1:プリントパック 全印総連のたたかい/人間らしく働ける職場へ/組合つぶし攻撃に府労委が是正命令/京都、参考その2:プリントパックを断罪 京都府労働委員会 組合員への不利益扱いで



ネット注文を受けるとすぐに印刷・加工・発送するので昼夜2交代勤務で24時間フル稼働、1シフト12時間勤務なので「1日8時間労働」から毎日4時間オーバーし、月に勤務日が20日あれば80時間で「過労死ライン」に達するのにも関わらず「固定残業手当」だったので時間通りに残業代が支払われず、労働者の残業時間を気にせず働かせ続けられるという仕組みによって「プリントパックは、3交代勤務にしている同業他社より3割安い」という状態が常態化、結果的に売り上げを十数年で100倍以上に伸ばして売上高200億円を突破。2010年3月に入社してわずか1ヶ月半の26歳だった若者が大型印刷機に頭を挟まれて死亡したのに長時間労働が改まらず、ついに2013年10月に労働組合が発足。しかし組合に所属して待遇改善を訴えると賃金の増額がゼロ円〜500円、非組合員は5000〜1万円アップ。2016年7月に京都府労働委員会がこれらの差別的扱いとなる一時金不支給などを不当労働行為と認定し、組合つぶしにストップをかけたもの。

◆関西電力(参考その1:労災認定:関電課長が自殺 高浜原発の審査対応で繁忙状態 - 毎日新聞、参考その2:自殺の関西電力社員 高浜原発の審査対応の管理職 | NHK「かぶん」ブログ:NHK



高浜原子力発電所の1号機と2号機に対して原子力規制委員会が行う審査の対応をしていた関西電力の40代の男性社員が4月20日に出張先の東京のホテルの部屋で自殺しているのが見つかり、調査の結果、1ヶ月の残業時間が200時間程になっていたほか、3月からは東京に長期出張、さらに4月1日から自殺前日までの19日間の残業時間も150時間程になっていたもの。労働基準監督署は自殺を「長時間労働による過労が原因だった」労災と認定済み。なお、自殺した日は原子力規制委員会が高浜原発1号機・2号機の安全対策が新しい規制基準の審査に合格したことを示す審査書を正式に決定した当日でした。

◆佐川急便(参考その1:上司からエアガン・つば…佐川急便22歳自殺、労災認定:朝日新聞デジタル、参考その2:上司からエアガン、つば 22歳佐川急便従業員の自殺を労災と認定   - 産経ニュース



「上司に唾(つば)かけられたり、エアガンで打たれたりするんですが、コレってパワハラ?」とSNSに投稿、さらにスマホの中からも「色々頑張ってみたけどやっぱりダメでした。薬を飲んでも、励ましてもらっても、病気の事を訴えても理解してもらえませんでした」とメモがあり、2011年12月にうつ病の診断を受け、上司は「そんなの関係ない。迷惑かけられて大変だった」と残務処理を指示、4日後に自宅で制服姿で首をつって自殺したもの。

◆サトレストランシステムズ(参考その1:「すし半」のサト、違法残業月111時間 容疑で書類送検 大阪労働局 - 産経WEST、参考その2:「和食さと」運営会社を書類送検=違法時間外労働の疑い−大阪労働局:時事ドットコム



計4店で、従業員7人に対して1ヶ月111〜49時間の時間外労働をさせ、さらにそのうち2店では3人に割増賃金の一部として合計約30万円を所定支払日に支給しなかったもの。大阪労働局は労働基準法違反容疑で法人としての同社と本社部長や店長の計5人を大阪地検に書類送検済み。

◆宗教法人 仁和寺(参考その1:【衝撃事件の核心】「まさか寺までブラック化」元料理長349日連続勤務、世界遺産・仁和寺の「罰当たり」ネットで拡散(1/5ページ) - 産経WEST、参考その2:うつ:宿坊349日連続勤務 京都地裁が仁和寺に賠償命令 - 毎日新聞



2005年から境内にある宿坊「御室会館」の料理長を務めていたが2011年には月100時間以上の時間外労働が常態化。月200時間以上になることや349日の連続勤務もあり、2012年に「抑うつ神経症」と診断されて仕事を休むようになり、2013年には労働基準監督署から労災認定を受け、過酷な長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺を相手取り約4700万円の損害賠償などを求めたもの。地裁は「尋常でない過酷業務」と批判し、寺に約4200万円の支払いを命じたが、仁和寺の担当者は「主張が認められず大変残念。内容を精査して控訴を検討したい」とコメント、原告男性は判決後に記者会見で「これで人生を一歩前に進めるが、私の体が治ったわけではない。これまで仁和寺から謝罪は一切無く、誠意のなさにショックを受けている」と語っています。

◆ディズグランデ介護(茶話本舗FC企業)(参考その1:休憩時間なし・残業代未払いなどに行政指導〜仙台市内の「茶話本舗」デイサービス事業所 | 介護・保育ユニオン、参考その2:休憩なし、賃金未払いで介護事業所に是正勧告、元従業員「気持ちの余裕与えて」 - 弁護士ドットコム



介護デイサービスの従業員に対して「タイムカード通りに賃金が支払われていなかった」「8時間以上の労働時間に対して1時間の休憩を取らせていなかった」「時間外労働を行わせるために必ず必要な協定書を作成していなかった」「割増賃金が適切に支払われていなかった」「定期健康が行われていなかった」として仙台労働基準監督署からの是正勧告が行われていますが、「無視」したため。

◆日本郵便(参考その1:郵便局員の自殺「部下の嫌がらせが原因」 妻が国を提訴:朝日新聞デジタル、参考その2:郵便局職員自殺で和解 年賀状販売に厳しいノルマ 「会社の責任明らかに」 - 産経ニュース、参考その3:命の重さを知れ!会社の責任を問う〜「さいたま新都心郵便局過労自死事件」裁判



さいたま新都心郵便局では交通事故やミスをした職員が「お立ち台」に上げられ、反省を迫られる、というとんでもないことが起きており、「お立ち台の職員は、涙声で震えていた。翌日頭を丸めた人もいる」とその恐怖を語っていた男性も部下にあいさつを無視されるなどの嫌がらせを受けて精神的に限界に達し、うつ病を直すためにもっと小さな局への異動願いを上司に何度も出したが全て拒否され、うつ病と診断されて休職。その後なんとか復職したものの職場の複数人から配慮のない扱いを受け、自殺したもの。妻が国を提訴し、約8000万円の損害賠償を求めて和解、記者会見では「本当は謝罪が欲しかったが、会社の責任が明らかになったものと受け止めている」とコメントしています。

なお、昨年の2015年は「セブン-イレブン・ジャパン」が大賞でした。