旅先ではローカルスーパーやローカルコンビニをのぞいてみるのも、ひとつの楽しみ。

なかでも先日、北海道に行った際に立ち寄った「セイコーマート」は衝撃的だった。



店頭には「大きなおにぎり」というのぼりがはためいていたが、これはお店の厨房で調理して提供しているお弁当・お惣菜「ホットシェフ」の人気商品らしい。

実際に手にとると、通常のおにぎりサイズでもかなり大きく、ズシンと重い。野球部の子のお母さんが作るおにぎりのようだ。



しかも、それを上回る「超でかおにぎり」まである。なぜこんなにもおにぎりが大きいのか。 
セイコーマートを運営する株式会社セコマに聞いた。

「お店で炊いたごはんのおいしさを、そのままおにぎりにしたホットシェフの『大きなおにぎり』は、1個でも大満足が得られるようにとの想いから、大きめのごはん茶碗にふんわり1杯盛った量を目安としています。手づくりならではのふんわりとした食感と温かさが大人気です」
人気の具材は、北海道産鮭を使用した定番の「鮭」や特製マヨソースをミックスした「明太子&マヨ」など。加えて、「松前漬け」や「すじこ」など北海道らしい具材もある。

50〜60種類の108円惣菜を自社グループで製造


ちなみに、このホットシェフは「おいしいものをお届けしたい」という思いを徹底して追求した結果、「店内で調理する」という考え方にたどり着いたものだそうで、人気商品にはカツ丼、豚丼、フライドチキンなどがあるそう。



さらに総菜コーナーにはひじき、切り干し大根、玉子焼き、煮卵、きんぴら、卯の花などなど、豊富なメニューが約108円でズラリと並ぶ。



どのくらいの種類があるのか。 また、なんでこんなに安くできるの?
「約108円の惣菜は、セコマグループの食品製造会社で製造している商品です。原材料の調達や容器の製造を自社グループで行うなどで工夫を重ね、約108円という価格を実現しました。時期によりますが、50〜60種類ほどあります。できるだけ添加物を使わないことにもこだわり、お手ごろな価格でも品質にこだわった惣菜を提供しています。『北のポテトサラダ』など北海道産の原材料を使用している商品は人気があります」

セイコーマートが“ほぼ北海道限定”の理由


ところで、セイコーマートは1971年に1号店が開店した現存する日本で最も古いコンビニの一つ。2000年には北海道で1000店舗を達成、現在、北海道の人口カバー率99・8%だそう。茨城県に85店、埼玉県に13店あるとはいえ、なぜ“ほぼ北海道限定”で展開したのだろうか。
「セコマは、北海道生まれ北海道育ちの企業です。『新鮮で品質の高い北海道のおいしさを、お手ごろな価格で、多くの方にお届けしたい』との想いで事業展開し、北海道を中心に展開してきました。セコマグループは、セイコーマートをチェーン展開する小売企業ではなく、原材料調達・食品製造・物流・小売全てをグループで担うサプライチェーン。グループには農業生産法人、11社の食品メーカー、物流を担う企業があるのです」

「全道をくまなく網羅した物流網を活用し、より多くの北海道の方に商品をお届けしたい」という狙いから、全道179市町村中、グループでなんと175市町村に出店。「可能な限り品質の高い北海道産の原材料を使用すること」にこだわっているのだと言う。
例えば、セコマグループの「株式会社豊富牛乳公社」で製造している牛乳は、「北海道牛乳」「北海道とよとみしぼり」「北海道低脂肪牛乳」の3種類あり、すべてが北海道豊富町産。プリン等のデザートやパンなど多くのセコマオリジナル商品にも、豊富町産牛乳を原材料として使用しているそう。
また、北海道産赤肉メロン果汁と北海道豊富町産牛乳を使ったアイスも6種類販売。これは、果肉の味は非常に美味しいものの、網目が整っていなかったり蔓がとれてしまっていたりと、見た目のみで「規格外品」になってしまう北海道産メロンを活用したものだそう。

他に、大福はセコマグループの「株式会社三栄製菓」で製造したもので、生地には北海道産もち米「きたゆきもち」を使用し、あんは、豆大福・草大福・白大福は北海道産小豆、赤大福は北海道産手亡豆を使用。もち米を蒸すところから始め、しっかり搗いたお餅に仕上げているため、素材本来の風味と強いコシが特長で、ちょっとしたお土産にも良さそうだ。

ちなみに、自分はセイコーマートで108円総菜を数種と北海道限定ビールを買い込んで、夜中にホテルの部屋で一杯楽しみ、翌朝は大きいおにぎりを食べた。いいなあ、北海道

北海道に行く際には、ローカルコンビニ「セイコーマート」をぜひ一度のぞいてみては?
(田幸和歌子)

※ホットシェフは取り扱いのない店舗がございます。取扱商品は店舗により、異なります。曜日・時間帯によっては製造商品が異なりますので、ご了承ください。