(写真提供=SPORTS KOREA)アン・シネ

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イ・ボミが2年連続の賞金女王に輝き、『LPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップ』で幕を閉じた今季の日本女子プロゴルフツアー。長いシーズンに一区切りがついたばかりだが、11月29日から来季に向けた戦いが早くも始まる。

来季ツアーのシード権をかけたファイナルQTが千葉県の東急セブンハンドレットクラブ東コースで行われるのだ。このファイナルQTには韓国人選手も数名駒を進めており、特にふたりの選手に注目が集まっている。

ユン・チェヨンとアン・シネ。ともにKLPGA(韓国女子プロゴルフ)を代表するスター選手で、その美しさから“韓国女子ゴルフ界の神セブン”にも数えられる美人ゴルファーだ。

ふたりのことはこれまでも何度が紹介してきたので日本のゴルフファンたちも名前を覚えたことだろう。ファーストQTから出場しているふたりは、セカンドQT、サードQTと順調に成績を残し、いよいよ最後の関門となるファイナルQTに臨むことになるが、韓国メディアの『マニアリポート』が興味深い特集を組んでいた。

題して「アン・シネ、ユン・チェヨン…彼女たちはなぜ日本をノックするのか」だ。

韓国のゴルフ専門メディアである『マニアリポート』がその理由としてまず挙げているキーワードは、「変化と挑戦」だ。

「10年間、KLPGAツアーで活動しながら停滞した感じがする。変化が必要だと思った」とするユン・チェヨンの美女ゴルファーゆえの苦悩を引用しながら、韓国ではベテランの部類に入るふたりが「変化」を求めて日本行きを決心したとしている。

以前、ユン・チェヨンは筆者にも同じようなことを言っていただけに、それも日本行きを決心したひとつの理由だろう。

特集ではさらに突っ込んで、「イ・ボミ、シン・ジエなどの成功ロールモデル」をふたつ目のキーワードにしてする。

「もっとも代表的なロールモデルはイ・ボミだ。(中略)たくさんの賞金を稼いだだけではなく、イ・ボミが日本でも最高スターの待遇を受けながら人気を得ている事実は、ほかの選手たちを刺激する要因になっている」(『マニアリポート』より)

文化も異なり距離的に遠いアメリカよりも、文化的にも地理的に近く、なおかつ韓国人選手の成功モデルが多い日本ツアーは、多くの韓国人選手たちが負担なく挑戦できる機会だというのである。

まして日本でプレーする多くの韓国人選手たちが絶賛するほど、日本のゴルフ環境は素晴らしい。食事や生活文化も絶賛するほどである。

(参考記事:韓国美女ゴルファーたちに聞いた!! 日本から離れられないワケ)

興味深いのは、この特集の中で登場する関係者の言葉だ。

「日本の場合、スポンサーたちは選手と契約を交わす前に実力と人間性、マナーなどをきめ細かくチェックして契約すべきかどうかを決める。一度契約すれば、特別なことがないかぎり長い付き合いとなる」と前置きした上で、韓国の実情との比較もしている。

「(日本では)韓国のようにスポンサーが選手の商品性だけに集中したり、マネージメント社との契約が終わるたびに熾烈なスカウト競争が起きるような雰囲気もない。選手たちは相対的な安定的な選手生活を送ることができる」

移り気の激しい韓国では選手が商品のような扱いを受け、競争も激しく、それにゆえに選手も消耗し疲弊する。それを裏付けるコメントとも言えるだろう。

実際、とある韓国人選手は日本のゴルフ記者に、「韓国でゴルファーとして生きていくには勝つしかない。2位や3位では意味がない」と漏らしていたという。そんな韓国に比べると、日本では純粋にゴルフを楽しみながら選手生活を送れるのもかもしれない。

ただ、韓国人選手の日本挑戦は歓迎すべきことだけではないと、『マニアリポート』は指摘している。

「KLPGAの立場からすると、スターが大挙抜けてしまうのは歓迎すべきことではない。日本のQTを受験した選手がすべて来年から日本に移ってしまうと仮定したとき、KLPGAは“スター飢饉“という現実に直面するかもしれない」

それも一理あるだろう。最近も、韓国メディアが現役プロたちを対象に実施した “ゴルフ界のベストドレッサー・ランキング”を発表しているが、ふたりは真っ先に選ばれている。

ユン・チェヨンはもちろん、アン・シネなどは成績にかかわらずその動向がニュースになるスター選手である。アン・シネはプライベートをSNSにアップしただけで、記事になるほどなのだ。

そんなスター選手が抜けてしまうことを、KLPGAはどう思っているのかについては取材済みなので、機会を改めて近日中にじっくり紹介したいと思うが、果たしてユン・チェヨンとアン・シネは晴れてファイナルQTを通過して来季からの日本ツアー出場権を獲得できるだろうか。

ファイナルQTの行方には、ぜひとも注目したい。

(文=慎 武宏)