絶対緩まないネジを開発したハードロック工業の若林克彦社長

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 日本経済の屋台骨を支えてきた我が国の技術力。工業用部品から医療器具まで、世界の人々が舌を巻く“メイド・イン・ジャパン”の真髄に迫る。

 いくら締めても、ネジは振動で緩むのが宿命だが、放置すれば人命に関わる大事故につながることもある。

 もし緩まないネジがあれば、保守管理コストを大幅に削減できる。そう考えて「絶対に緩まないネジ」を開発したのが、大阪府のハードロック工業だ。

「住吉大社の大鳥居に使われている楔を見てひらめいた。ボルトとナットの間に楔を打ち込めば緩まないネジが作れると」(同社代表取締役社長・若林克彦氏)

 そして、締付けナットを偏芯加工した凸型と真円加工凹型ロックナットを組み合わせ、緩まない構造を考案し、実用化した。

 このハードロックは東京スカイツリーにも使われ、イギリスやポーランドの鉄道会社でも使用されている。

「赤ちゃんの指先の動脈は直径0.3mmほど。事故などで切断されたとき、従来の手術用の針糸ではつなげられませんでした」(河野製作所=千葉県=ものづくり技術部・岩立力氏)

 開発のきっかけは、産官学プロジェクトで「5mm角の手術視野で取り扱える針糸」の製造依頼を受けたこと。3〜4年の開発期間を経て、世界最小の手術用針糸が誕生した。これにより、直径0.5mm未満の血管やリンパ管、神経などの接合手術が可能になった。

 超微小外科分野の国内シェアはほぼ100%。海外ドクターからの引き合いも多く、現在は諸外国での承認待ちだという。

※SAPIO2016年12月号