夢のコントロールももはや夢ではなくなった!?

写真拡大

「夢を自由にコントロールしたい!」と思ったことがある人は多いでしょう。現実は退屈なことばかりだし、仕事は思うようにいかないし、それならば夢の中だけでも……と考えるのは当然です。

 実は、ここ数年、科学の世界では「夢の意識的なコントロール」に関する研究が進んでいます。専門的には「明晰夢」と呼ばれるテクニックで、これさえ身につければ、「いま自分は夢を見ているんだな」としっかり認識したうえで、その内容を好きなように操ることができてしまうのです。

 つまり、絶世の美女をはべらかそうが、世界一の大富豪になって豪遊しようが思いのまま。少なくとも寝ている間だけは、世界が自分のものになるわけです。ぜひともマスターしたいですねぇ。

 2012年にドイツのボン大学が行った調査によれば、推計で全人口の50%が一生に一度は明晰夢を見るものなんだとか。その仕組はまだハッキリと解明されていませんが、一説には、意識の覚醒と熟睡をハイスピードでくり返す状態ではないかと考えられています(1)。

◆ポイントは目覚ましのスヌーズ機能!

 それでは、明晰夢を見るためにはどうすればいいのでしょうか?まず参考になるのが、2015年に英スウォンジー大学が行った実験です(2)。

 研究チームは、まず明晰夢を見るのが得意な男女84名を集めて、全員の睡眠パターンをチェック。明晰夢を見る回数が多い人は、以下の傾向があることをつきとめました。

・朝にスヌーズ機能を使う
・夜中に目を覚ますことが多い
・夢の細部を思い出せる

 なかでも大事なのは「夢を思い出す能力」と「スヌーズ機能」の2つで、参加者が明晰夢を見られるどうかを78.6%の確率で予想できたとか。どうやら、スヌーズ機能を使うと意識がまどろんだ状態に入り、明晰夢を見やすくなるようです。

 この結果をもとに、研究チームは、具体的な「明晰夢トレーニング法」を考案しています。

1:いつも起きている時間の1時間前に、目覚ましのスヌーズをセットする
2:目覚ましが鳴ったらスヌーズボタンを押す
3:ボンヤリまどろみつつ「昨夜見た夢」を思い出そうと頑張る
4:そのまま二度寝する
5:ステップ2〜4の作業をくり返す

 ポイントは、昨夜に見た夢をできるだけ細部まで思い出すこと。もし何も夢を見なかったときも、記憶をたぐってみる努力だけはしてみてください。個人差はありますが、筆者の場合は2週間でコツをつかみ、1か月が過ぎたあたりから「これは夢だ」と気づけるようになりました。

◆トレーニングによってさらに鮮明に

 もうひとつ、「MILD法」という上級者向けのトレーニング法も紹介しておきます。スタンフォード大学のスティーブン・バラージ博士が開発したテクニックで、過去の実験でも大きな成果をあげています(3)。

 トレーニングの難易度は高いものの、そのぶんだけ効果は絶大。いったんマスターすれば、好きなときに好きなだけ夢を操れるようになれるでしょう。

「MILD法」は、以下のステップで構成されています。

ステップ1・夢日記

まずは夢の内容を思い出すためのトレーニングから。毎朝、目が覚めたらすぐに夢の内容をノートへ書き記していきましょう。
ここでのポイントは、睡眠時間を「90分の倍数」にしておくこと。一晩の睡眠時間を450分、540分、630分のように90分刻みで設定すると、夢を思い出しやすくなります。

ステップ2・アファメーション

床につく前に、「今夜は明晰夢を見るぞ!」と自分に言い聞かせるトレーニングです。できるだけ感情を込めて、2〜10分ぐらいくり返してください。慣れないと恥ずかしい作業ですが、夢をコントロールするためには多少の犠牲はやむを得ません。