女子ゴルフの富士通レディースでツアー初優勝した松森彩夏【写真:Getty Images】

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投げたボールがキャディの頭に当たり池ポチャ、投げる行為に疑問の声も

 女子ゴルフの富士通レディースでツアー初優勝した松森彩夏。身長170センチのモデルスタイルの美脚が注目を浴び、今回の優勝で一気にファンも増えた。若手選手の中でも注目の有望株だ。

 そんな存在だけに、その言動や行動が時に目立ってしまい、それが仇となってしまうケースも少なくない。松森がそうした別の話題で注目を浴びたのが、女子ゴルフの伊藤園レディスの2日目。日没で順延になり、松森の組は翌日に持ち越された第1ラウンドの15番から再開。最終18番グリーンでその珍事は起こった。

 松森はグリーン上の球をマークして拾い上げ、いつものようにキャディに球を投げた。キャディはメモを取っているところで、その球に気づかず、頭に当たってそのままグリーン左サイドの池に入ってしまった。キャディは慌てて池の中に入り、球を探したが見つからず、球を取り替えてプレー。これにより松森には2罰打が与えられた。(※ゴルフ規則15-1、15-2)

 選手がキャディに、キャディが選手に“ボールを投げる”行為は、日本ツアーのみならず、米ツアーでもよく見かける光景で、それが“ルール違反”でないのは明白。ただ、今回の松森の件がニュースに取り上げられたことで、「マナー的にはどうなのか」と疑問を投げる人も少なくない。

プロ選手&LPGAの見解は…

 アマチュアゴルファーがゴルフ場でプレーする時、グリーン上でハウスキャディにボールを投げることはほとんどないだろう。では、プロゴルファーはなぜ、ボールを投げるのかを数人の女子プロに聞いてみた。

「プレー時間短縮のため」(女子プロA)

「普段からしていることなので、深く考えたことがなく、ごく自然なこと」(女子プロB)

 選手たちにとっては、試合をスムーズに進めるための行為であって、マナー違反ととらえてはいない。

 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の見解はどうなのか。

「松森選手には手渡しするように注意をうながしました。ただ、ボールを投げる行為がルール違反ではないので、投げるならしっかり確認してからにすべきだと思います。もちろん、本来は手渡しのほうが丁寧ですが、ルール違反ではない以上、選手とキャディの当事者間での決め事、自分たちの責任としてとらえています」

キャディを務めた田渕豊氏も「投げる行為は悪いこととはとらえていない」

 当の松森彩夏も「池があるところで、ボールを投げる行為に関しては気を付けないといけないと思いました。キャディさんとしっかりアイコンタクトしておくべきでした」と反省しており、こういう事態を招くことは2度とないだろう。

 松森のキャディを務めた田渕豊氏は「池に球が入ってしまったのは、自分たちの不注意でした。ただ、ボールを投げる行為は時間短縮のために練習ラウンドから普段から行っていることなので、投げる行為は悪いこととはとらえていないです。池がある場所などではやめようと話し合いました」と話す。

 総じてプロのツアーでは、選手やキャディにボールを投げるという行為は、決して“マナー違反”ではなく、あくまでも選手とキャディとの信頼関係で成り立っている。

 もちろんすべての選手が球を投げているのかと言えばそうではなく、丁寧にキャディに手渡しする選手もいる。要するにどのように感じるのかは、受け取る側次第ということなのかもしれない。

※【ゴルフ規則】(抜粋)
15-1 通則
プレーヤーはティーインググラウンドからプレーした球でホールアウトしなければならない。

15-2 取り替えられた球
規則上球を取り替えることが許されていないのにプレーヤーが球を取り替えた場合、取り替えられた球は誤球ではなく、インプレーの球となる。取り替えられた球をストロークしたときは、ストロークプレーでは2打の罰を受け、取り替えられた球でそのホールを終えなければならない。

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim