ATPワールドツアー・ファイナル準決勝でジョコビッチに敗れた錦織圭【写真:Getty Images】

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錦織対策を「遂行した」ジョコビッチ

 世界ランク5位の錦織圭(日清食品)は19日のATPワールドツアー・ファイナル準決勝で同2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に1-6、1-6でストレート負けを喫した。前日の同7位マリン・チリッチ(クロアチア)とのフルセットの戦いでトップコンディションでなかった錦織だが、ジョコビッチの錦織対策が敗因になったとプロテニスプレイヤーの綿貫敬介(明治安田生命)は指摘した。

「錦織さんはジョコビッチ選手にラリーで対抗できませんでした。錦織さんに対するジョコビッチ選手のバックハンド対策の成果だと思います。錦織さんのバックハンドはフォアハンドよりも攻撃力が高い。そこで、ジョコビッチ選手はバックハンドでのレシーブを相当警戒していました。

 ジョコビッチ選手はオープニングゲームで4ポイント連続で錦織さんのフォアハンド側にサーブを打っていました。錦織さんはフォアでリターンせざるを得ない状況に追い込まれ、そこからラリーで攻め込まれました。ジョコビッチ選手はセカンドサーブでも今日は80パーセントから85パーセントの割合でフォアを狙っていました。これは明確に戦略だったと思います」

チリッチ戦から不調だった錦織のフォアハンド、「ジョコビッチは見逃さず」

 ジョコビッチは試合後のインタビューで「試合前に立てた戦術を遂行することができた」と語っていたが、それが錦織のラリーにおけるバックハンド封じだったという。そして、徹底的に錦織のフォアサイドを突いた理由は、チリッチ戦のスカウティングの結果ではないかとも綿貫は分析する。

「もう一つ、ジョコビッチ選手がフォア狙いに出た理由は、錦織さんのフォアの不調もあったと思います。チリッチ戦の第2セットの第3ゲーム辺りからフォアハンドがしっくりきていませんでした。どんな選手にもショットの感覚が悪くなることはありますが、錦織選手ではあまり見ないことでした。ただ、ジョコビッチ選手は見逃さず、そこを突いた印象があります」

 世界ランク1位の奪回を目指すジョコビッチは錦織への対策を準備していたという。来季以降の再戦で錦織がどのように修正してくるのか、楽しみにしたいところだ。

◆綿貫敬介(わたぬき・けいすけ) 明治安田生命所属 世界ATPランキング1135位、ダブルス1024位(2016年6月時点)。埼玉県春日部市のグローバル・プロ・テニス・アカデミーの常任コーチを務めながら、世界ジュニアランキング2位の弟・陽介のツアーコーチも兼務。ジュニア時代には世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら実力者と対戦した経歴を持つ。

◆グローバル・プロ・テニスアカデミー 綿貫3兄弟を育て上げた父・弘次氏が校長を務める、世界を目指すタレントを育成するジュニア育成のアカデミーと一般のスクールを併設。レッスンは午前9時から午後9時まで。住所・埼玉県春日部市下蛭田2-1。電話番号048-755-5370。公式サイトは、http://www.global-sports-planning.com/