国家代表に3年在籍した日本ツアー通算1勝のリ・エスド【写真:Getty Images】

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韓国国家代表チームの「地獄の冬季合宿」とは

 韓国ゴルフの国家代表について、実際にジュニア時代に韓国代表経験のある日本ツアーメンバーに、その実態がどういうものなのか、話を聞いた。

 国家代表に3年在籍した日本ツアー通算1勝のリ・エスドが驚きの告白をする。

「国家代表チームの約2〜3週間にわたる1月冬季合宿は、名物。合宿は済州島で行われるのですが、温暖の南側にある島とはいえ、1月は雪がちらつくほど寒いです。

 一番つらかった練習は砂浜で走ること。朝5時にたたき起こされて、5時半に砂浜に集合して、約2時間ずっと走り続けるんです。寒い中で砂浜を2時間も走ると足の感覚がなくなるんです。それを1か月、毎朝続けました」

 “常備軍”として代表を経験した日本ツアー通算1勝のナ・ダエは「夜道をずっと一人で歩く練習が一番印象に残っている」と話す。一体、何を鍛える練習なのか。

珍トレに「正直、これがゴルフに効果があるのかどうか…」、近年は最新トレも

「いわゆる肝試しです。街灯もない暗い夜道を一人で1時間歩くんです。ある場所に物を置いてあるのですが、それを取って帰ってこないといけない。緊張感のなかでも落ち着いていられるのか、メンタルを鍛える練習なのだと思います。

 正直、これがゴルフに効果があるのかどうかと聞かれたらわかりませんが、プレー中に緊張するシーンだったり、少し弱気になっていたりする時には力になっていたのだと感じます」

 これだけ聞いても過酷で、かなり珍しい練習が取り入れられているのが分かる。だが、これは数年前のこと。近年は“スパルタ的”発想を取り払い、優秀なコーチの指導と最新のトレーニングが行われている。

 ちなみにゴルフダイジェストコリアが2012年の冬季合宿に参加した選手たちに「もっとも悩んでいることは何か」というアンケート調査を行ったところ、「メンタル(35.8%)」、「体力(19.8%)」という結果が出たそうだ。

 結局はメンタルと体力――。韓国のアマチュアはショットの正確性や飛距離などゴルフの技術を合宿で高めたいわけではなないのだ。ここに「強さ」の背景が見え隠れする。

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim