第3戦で対戦する錦織とチリッチ【写真:Getty Images】

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2年ぶり準決勝かかる錦織、第3戦でチリッチと対戦

 世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は18日のATPワールドツアー・ファイナル1次リーグ第3戦で同7位のマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する。現在、錦織は1勝1敗、チリッチは2敗。同日には2勝の世界1位アンディ・マレー(英国)と1勝1敗の同3位スタン・ワウリンカ(スイス)が対戦し、その2試合いずれかの結果次第で錦織の1次リーグ突破が決まる。

 錦織にとってチリッチは2014年の全米オープン決勝でストレート負けを喫している因縁の相手だが、通算成績は7勝5敗と勝ち越している。ただ今年は10月のスイス室内決勝で敗れた。そのチリッチ攻略のポイントはどこになるのか――。プロテニスプレイヤーの綿貫敬介(明治安田生命)が13度目となる対決について分析してくれた。

「チリッチ選手はサーブはすごい。手足が長いですし、身長も高いのでストロークでもパワーが強いイメージがあると思いますが、実際はそこまで強打してくるタイプではありません。すごく調子の波のある選手です。

 2014年のUSオープン決勝で錦織さんが負けた時には、手のつけられないほど好調でした。あの試合では全部上からひっぱたいてきた感じで強打してきて、ほとんどラリーにならない状態だった。その感覚にチリッチ選手がなってしまったら脅威ですが、その反面、ツアーの連戦を見ているとミスが極端に多い試合もある。ワウリンカ選手のようにムラのある選手とも言えます」

楽天OPでチリッチが苦しんだボールとは…

 綿貫は今年10月に弟・陽介のツアーコーチとして帯同した楽天ジャパン・オープンでチリッチと世界11位のダビド・ゴフィン(ベルギー)の準決勝を視察。チリッチが5-7、4-6のストレート負けを喫した試合で気付いたことがあったという。

「チリッチ選手は比較的、コート中盤のボールの処理を苦手としています。ベースライン付近から強く打つのはうまい。でも、身長が高すぎるからでしょうか、低いボールでコートの中央くらいからネットプレーにつなげるボールの処理に苦しんでいました。

 楽天オープンの時はコート中央のミスが多かった。この処理をきっかけにゴフィン戦で崩れていました。錦織さんのリターンが低いところに集まれば、チリッチ選手が崩れる機会が増えてくるかもしれません。この部分で相手が崩れる可能性はありそうです」

 ネットプレーに出るか、出ないかというコート中盤のボールがポイントとなると語る綿貫は「今回のサーフェスがインドアハード。全米オープンのハードコートほど打球は高くバウンドしません。打球は低く弾むので、チリッチ選手の好む打点でラリーを展開させないことも可能になるかもしれません。そこは錦織さんにとって有利に運ぶかもしれません」とも分析する。

 果たして軍配はどちらに上がるのか。錦織の2年ぶりとなる4強進出に期待したい。

◆綿貫敬介(わたぬき・けいすけ) 明治安田生命所属 世界ATPランキング1135位、ダブルス1024位(2016年6月時点)。埼玉県春日部市のグローバル・プロ・テニス・アカデミーの常任コーチを務めながら、世界ジュニアランキング2位の弟・陽介のツアーコーチも兼務。ジュニア時代には世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら実力者と対戦した経歴を持つ。

◆グローバル・プロ・テニスアカデミー 綿貫3兄弟を育て上げた父・弘次氏が校長を務める、世界を目指すタレントを育成するジュニア育成のアカデミーと一般のスクールを併設。レッスンは午前9時から午後9時まで。住所・埼玉県春日部市下蛭田2-1。電話番号048-755-5370。公式サイトは、http://www.global-sports-planning.com/