連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第9週「チャンス到来!」第50回 11月29日(火)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:中野亮平


50話はこんな話


キアリスが新聞の取材を受けることになった。だが刷り上がった新聞には、明美(谷村美月)を外した3人のお母さんがつくった店として紹介されていた。

マスコミって……


「ひとり独身が混じっているよりも全員母親って言うたほうがよかったんやろな。うちはこれっぽちも気にならんから・・・」
って嘘ばっかり。亡くなったお母さんに喜んでもらえると楽しみにしていたはず。悲しい。
新聞に載った写真は、明美だけ切られ、でも微妙に半身が残っていて、それがまた悲しい。酷すぎる。
朝から血圧上昇しちゃったじゃないか!

こういうことは取材あるあるだが、昨今は、マスコミの捏造に世間の目はかなり厳しい。「べっぴんさん」の時代(戦後すぐ)もマスコミはマスゴミだったのか。49話レビューでも引用した参考文献「現代史年表」(小学館)には、この年(昭和23年)、「埼玉県本庄町の暴力団・町議、官憲の癒着報道の朝日新聞記者に暴行した本庄事件」が起こったとある。これは真逆で、ジャーナリストが真実を報道したパターン。こういう人もいる一方でドラマに出てきた記者はなっとらん。救いは、すみれ(芳根京子)たちがちゃんと明美の仕事を認めていること。当事者たちが手柄横取りというせちがらいケースも世の中にはいくらでもある。

5気になるアングル


50話のラスト、「明美ちゃんの背中に小さな寂しさを感じたすみれなのでした」と語られる(菅野美穂)ときの、すみれ、良子(百田夏菜子)、君枝(土村芳)の並び方は、中心に良子がいて、カメラは次第に端のすみれに寄っていく。主人公だからと言っていつでも機械的にすみれを真ん中に配置していない姿勢が好ましい。

5呑気な奥さんたちに呆れる夫たち


すっかり夫たちがチームになっているのが可笑しい。
夫たちが「あの大急(百貨店)」と目の色を変えても、妻たちはどこ吹く風。その「執着心のなさ」をガード下の飲み屋でぼやく3人。ガツガツしないでのんびり良質な品を作ろうとするすみれたちはやっぱりお嬢様育ちでおっとりしている。そのいい意味の無欲さと対称的だったのが、即物的で効率優先のマスコミであった。
世間のからっ風に触れて、のんびり奥様たちは変わっていくのだろうか。
(木俣冬)