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カール・マルクスは「宗教とは民衆のアヘンである」と述べましたが、信仰心を感じるときに脳がどのような反応を示しているのかはよくわかっていません。そんな中、宗教的な活動をするときに活性化する脳の報酬系が、ギャンブルや音楽鑑賞で活性化する部分と同じであるとする研究がアメリカの研究者によって発表されました。

Reward, salience, and attentional networks are activated by religious experience in devout Mormons: Social Neuroscience: Vol 0, No 0

http://www.tandfonline.com/doi/10.1080/17470919.2016.1257437

The brain on God

https://www.researchgate.net/blog/post/the-brain-on-god

ユタ大学のジェフリー・S・アンダーソン博士らの研究チームは、「宗教的な活動を伴う精神的な体験で活性化する脳の報酬系は、音楽鑑賞やギャンブルで活性化する部位と同じである」という論文を発表しました。アンダーソン博士は、19人の敬虔なモルモン教徒の脳の様子をfMRIを使って観察しました。実験では、被験者に宗教の教えを解説するビデオを見せて視聴覚的な刺激を与えながらfMRIによるスキャンを行いつつ、信仰心に関して最も強い感情を抱いたときにボタンを押してもらい脳波の状態を調べています。なお、多くの被験者はfMRIによるスキャン中に礼拝しているときと同じような感情の高ぶりを感じ、涙する人もいたそうです。



その結果、信仰心を感じているときに側坐核、前頭前皮質が活性化され、それらは右脳に多く見られたとのこと。そして、活性化した脳領域は、音楽を鑑賞したり、ロマンティックな体験をしたり、親から愛を受けたり、ギャンブルで勝ちを収めたときに活性化するのと同じ領域であることがわかりました。



なお、アンダーソン氏によると信仰心のそれほど高くない人は、宗教ではなく別の事柄で同様の報酬系が刺激される可能性があるとのこと。その例として、愛国的なイメージ、平和な自然の光景、深遠な科学的アイデアなどが挙げられています。