29日、韓国の朴槿恵大統領が親友や側近らが逮捕・起訴された国政介入事件に関連して3回目の国民向け談話を発表、「任期短縮を含め進退問題を国会の決定に委ねる」として任期満了以前に辞任する考えを表明した。写真は大統領退陣を求めるデモでの警察。

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2016年11月29日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が親友や側近らが逮捕・起訴された国政介入事件に関連して3回目の国民向け談話を発表、「任期短縮を含め進退問題を国会の決定に委ねる」として任期満了以前に辞任する考えを表明した。

しかし、大統領弾劾の手続きを進めていた最大野党の「共に民主党」などはこの談話を「弾劾回避のための小細工」と切り捨て、当初予定通り弾劾を推進する立場を示している。では弾劾と辞任では何がどう異なるのか、朴大統領が辞任を口にしてまでも避けたい弾劾とは何か、韓国メディア・マネートゥデイは27日に解説記事を報じている。

これによると、弾劾案が国会で可決されればそれ以降、大統領は辞意により職を退くことができなくなる。野党が来月2日か9日にも採決したいとしている弾劾訴追案は、国会議員の3分の2以上の賛成で可決されるが、現在予測される与党セヌリ党の造反議員数を鑑みるに可決される公算が大きい。可決後は憲法裁判所の決定を待つことになるが、裁判所が特別検察官による捜査結果を待つと判断した場合、事態は長期化の見通しとなる。この間、朴大統領は権限行使が停止され、解釈の余地はありながらも辞任というカードはなくなる可能性が高い。

また、退任後の生計と直結する問題においても、弾劾と辞任では大きな違いがある。現行法では、大統領経験者には大統領時代の年俸の70%を年金として生涯支払うと定められている。朴大統領の今年の年俸2億1201万ウォン(約2030万円)を基準にすると、年金額は月1200万〜1300万ウォン(約115〜125万円)となる見込みだ。このほか、秘書や運転手、事務所費用なども提供される。一方、弾劾による退任や禁固以上の刑が確定した場合、退任後に得られるはずだったこれらの「特権」はすべて消滅する。また、弾劾されれば、公務員年金法の規定により支払われる退職金も減額されることになっている。

29日、朴大統領の国民向け談話を聞いた多くの韓国国民が「辞任の意向」の言葉を聞いても納得できないでいるのは、弾劾可決後のこうした過酷な道を想定した大統領が逃げに出たとみているためだ。「任期満了前の辞任を表明」を報じる記事に、韓国のネットユーザーからは「マジで頭に来た」「拘束して取り調べを」「弾劾されそうだから時間稼ぎをしてるんだろう」「自分が何を間違ったか分かってないみたいだ」「結局、無駄な言葉を並べただけ」「これは談話じゃなくて一方的な通告だろ!」など怒りの声が相次いでいる。(翻訳・編集/吉金)