「セクハラ」という言葉が広く知られるようになって以降、職場での力関係に基づく「パワハラ」や精神的な暴力を指す「モラハラ」など、さまざまな場面で”ハラスメント”という表現が使われるようになりました。最近では「ヌーハラ(ヌードル・ハラスメント)」という言葉も話題になりました。

今やハラスメントは、誰もが知らないうちに被害者・加害者になり得てしまう身近な問題です。保険ショップ『保険クリニック』が、様々なハラスメントについて20歳〜60歳の男女800人を対象にアンケート調査を実施したところ、なんと4人に1人はハラスメントを経験していることがわかりました。

男女とも、一番多い被害は「パワハラ」

Q.どのようなハラスメントを受けて嫌な思いをしましたか。(いくつでも)

<女性>
1位パワハラ、2位セクハラ、3位モラハラ、4位カジハラ、5位カラハラ、パーハラ、スメハラ
<男性>
1位パワハラ、2位モラハラ、3位セクハラ、4位カラハラ、パーハラ

ハラスメントを受けたことがあると答えた213人に聞いたところ、男女ともに一番多かったのはパワハラ(60.1%)でした。男性では圧倒的にパワハラが多く、女性ではパワハラ・セクハラがほぼ同数で、モラハラが続きます。

そして、4位以降は「カラハラ」「パーハラ」と聞きなれない言葉が。一体どんなハラスメントなのでしょうか?

こんなハラスメント知ってた?

さまざまな「ハラスメント」の中から、いくつか変わったものをご紹介しましょう。

まずはランキングでも上がっていた「カラハラ」、これは「カラオケ・ハラスメント」。歌いたくない人に無理やり歌わせようとする行為だそうです。「パーハラ」は「パーソナル・ハラスメント」、外見などの容姿やクセに対するいじめや嫌がらせのことを差します。

女性にだけランクインした「スメハラ」は、スメル・ハラスメント。平たく言えば、クサいということ。「スモハラ」は、スモーク・ハラスメント。非喫煙者に対して喫煙を強制したり、副流煙による受動喫煙の被害のこと。「ラブハラ」は、恋愛に関する話題を振って、相手に精神的苦痛や不快な思いをさせる行為だそう。

「ブラハラ」なんていうものもありました。ブラッドタイプ・ハラスメントのことで、血液型によって人の性格を判断し、相手を不快や不安にさせる行為を指します。「カジハラ」はそのまま家事・ハラスメントですが、今回の調査では「家事労働を不当に過小評価されること」という定義のもと、その被害者は女性のほうが多いという結果に。

他にはこんなハラスメントも。

・エアハラ……真剣な雰囲気や和やかな雰囲気を壊す行為
・ジェンハラ……「女らしく」「男らしく」のように社会通念上の固定概念による性差
・ゼクハラ……未婚の子に対して結婚へのプレッシャーを母親からうける行為
・ソーハラ……SNSにおいて、職場などの上下関係を背景に行われる嫌がらせ行為
・ペット・ハラスメント……飼い主がペットに対する嫌がらせ

そんなことまでハラスメントになるの?と驚くような項目も。でもそれは、これまで「嫌だ」と声を上げなかった多くの物事に対して、さまざまな人々の価値基準や感じ方が表面化してきたということかもしれません。ハラスメントの多様化は、個人の在り方の多様化に基づいたものと言えそうです。


【調査方法】
サンプル数 : 男女 800 人
年 齢 : 20歳〜60歳
調査方法 : Web アンケート
調査期間 : 2016年10月21日〜10月26日
『保険クリニック調べ』

(森本マリ)