中国大陸で同時期に出現した魏・呉・蜀の3つの国を巡り、個性豊かな数多の英雄が繰り広げる壮大な歴史物語である「三国志」。それゆえに、小説やマンガ、ゲームなど様々な創作品に題材として用いられており、「三国志」を知っている人間どうしでも「何で見たか」によって話がかみ合わないという事態も起こりうるのだ。(イメージ写真提供:(C)Lefteris Papaulakis/123RF)

写真拡大

 中国大陸で同時期に出現した魏・呉・蜀の3つの国を巡り、個性豊かな数多の英雄が繰り広げる壮大な歴史物語である「三国志」。それゆえに、小説やマンガ、ゲームなど様々な創作品に題材として用いられており、「三国志」を知っている人間どうしでも「何で見たか」によって話がかみ合わないという事態も起こりうるのだ。

 中国メディア・今日頭条は28日、「日本人が読む『三国志』とわれわれが読んでいるものは全くの別モノ」とする記事を掲載した。記事は、中国同様日本人も三国時代のストーリーを熱愛しているとしたうえで、「日本で流行した『三国志』は、われわれが良く知っている羅貫中の『三国演義』とも、陳寿の『三国志』とも異なる」と説明。日本における代表的な「三国志」は吉川英治氏が著した「三国志」であり、この作品から様々な派生作品が誕生していったのだと解説した。

 そして、吉川版「三国志」については羅貫中の「三国演義」から生まれたもので、吉川氏オリジナルの創意や日本的な価値観、言語背景が加わったことで、登場人物の描写がより熱血的で細かくなっていると説明。「最も重要なこと」として、各陣営をひいきすることなく見ており、「三国演義」では悪者扱いされた曹操も「無頼な豪傑で、人としての魅力に満ちた人物」として描かれていると伝えた。

 また、日本の歴史文学の第一人者である吉川氏が「三国演義」に対して「構想の大きさ、舞台の広さは、全世界の古典小説の中でも類を見ない・・・読者の感情は知らず知らずのうちに、100年間にこの大地で起きた種々の人間の浮沈や文化の興亡へとフラッシュバックし、読了後に深い思いを抱き、感慨に絶えない」と述べていたことを紹介。「この日本人の絶妙な評価には感服した」と評している。

 吉川氏の「三国志」はあくまで日本人向けの歴史小説であり、歴史書ではない。中国四大歴史小説の1つである「三国演義」(日本では「三国志演義」と呼ばれる)を、日本人の作家が日本人のテイストに合うようにアレンジした作品だ。記事を見たユーザーからは「東京で味の変わった四川料理を食べるようなもの」との指摘が出ているが、その例えは実に言い得て妙である。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Lefteris Papaulakis/123RF)