偏頭痛の原因と症状 | 薬に頼らない対処法

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誰でも一度は、頭痛に悩まされた経験を持っているのでは? 実は、15歳以上の日本人のうち3分の1が「頭痛持ち」というデータがあります。なかでも、眠れないほどひどく痛むことがある「偏頭痛」に悩まされている人が多いそう。そこで、「偏頭痛」の原因と改善するための対策を原因別にまとめました。

【目次】偏頭痛って何?偏頭痛の原因原因別・偏頭痛の対処法偏頭痛と睡眠不足の関係偏頭痛改善のための理想の睡眠法偏頭痛を予防するには

 

偏頭痛って何?

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一般的な頭痛と偏頭痛の違いは、痛みの現れ方で判別されます。「ズキン、ズキン」「ドクン、ドクン」と心臓の鼓動に合わせて痛みを感じたり、頭の片側だけが痛んだり、仕事や家事、睡眠に支障をきたすほど強い痛みがあるのが、偏頭痛の特徴です。
 
人によっては月に1回〜数回の頻度で偏頭痛が起こり、一度痛み始めると数時間〜数日間続くこともあります。体調が悪いときやお酒を飲み過ぎた時の頭痛とは違い、頭痛薬を飲んでもなかなか痛みが和らぎません。

偏頭痛の前兆

偏頭痛は「前兆を伴うもの」と「伴わないもの」に分けられ、前兆を伴う頭痛は全体の20〜30%だといわれています。偏頭痛の代表的な前兆は視覚や感覚の障害ですが、ごくまれに言葉が出てこなくなる症状や、一時的に身体の半分が麻痺してしまうこともあるのだそう。

偏頭痛の主な前兆

閃輝暗点
代表的な偏頭痛の前兆です。目の前で光が点滅し、それが次第に大きくなっていき、視界が欠けてしまう症状です。一時的に片目が全く見えなくなったり、視界の中心がぼやけることもあります。

顔や手足のしびれ
感覚障害の一種です。顔や腕、脚がしびれ、ちくちくした感覚が現れます。その間、話したり、文章を書いたり、物事を考えることが困難になる場合もあります。
 
首筋や肩のこり、生あくびなど
首筋や肩のこり、生あくびなどが偏頭痛の前兆としてみられる場合もあります。前兆だと気づかないことが多いですが、実は最も頻発する前兆だと言われています。

 

偏頭痛の原因

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偏頭痛の主な原因は「頭部の血管の拡張」。気圧などの外的刺激、またはストレスや生活習慣による脳の血管拡張によって、頭痛を感じると考えられています。まだ全てが明らかになっているわけではありませんが、血管拡張の仕組みについては次の3つの説が有力とされています。

血管拡張によって偏頭痛が起こる仕組み

(1)神経ペプチドの分泌

目、鼻、口、顔面などの感覚を司っている脳神経の中で最も太い神経系「三叉神経」は、ストレスなどの刺激を受けると圧迫され、「神経ペプチド」と呼ばれる痛み物質を放出します。これが、血管の拡張と炎症を引き起こし、頭痛につながります。

(2)セロトニンの過剰分泌

過度のストレスを受けると、それを解消するために大量のセロトニンが分泌されます。セロトニンとは、心のバランスを整える作用のある神経伝達物質。脳内のセロトニンが増えると精神的なバランスが整い、ストレスの解消に役立つとされています。
 
大量のセロトニンが分泌されると、一時的に脳の血管は収縮します。しかし、時間の経過とともにセロトニンが分解・排出されていくと収縮していた血管が急激に拡張するため、それが頭痛につながります。

(3)血糖値の変動

血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のこと。ブドウ糖は全身の細胞のエネルギー源となるため、生きるためは不可欠な栄養素です。そのため、血糖値が下がると、血糖値を上昇させる働きのあるアドレナリンというホルモンが分泌されます。しかし、アドレナリンは同時に心拍数の上昇や脳の覚醒といった作用を持っているため、それにより脳の血管が拡張して偏頭痛の原因になると考えられています。

原因別・偏頭痛の対処法

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偏頭痛の原因となる血管の拡張は、外的な刺激によるものとストレス、生活習慣によるものなどに分けられます。原因別に対処法をまとめました。

外的刺激によるもの

偏頭痛の原因として最も多く挙げられるのが、気圧や季節の変化などによる外的刺激から起こる血管の拡張です。

(1)気圧・季節による偏頭痛

季節の変わり目、天気が悪い時などに頭痛が起こりやすいのは、気圧が関係しています。気圧の変動で脳の血管をおさえていた圧力が下がると血管が拡張し、周囲にある神経を刺激してしまうために頭痛が起こると考えられています。季節や天気は、自分の力ではどうすることもできません。拡張した血管を収縮させるために、下記のような応急処置を行うとよいでしょう。

対策

コーヒー・紅茶などで適量のカフェインを摂取する(カフェインには、脳の血管を収縮させる効果があります。コーヒーであればカップ2杯程度が適量です)氷のうや保冷剤などで頭を冷やす

 

外部からの強い刺激によるもの

敏感な人は強い光や匂い、騒音などの強い刺激によって脳の血管が膨張し、頭痛を起こすことがあります。

対策

日中、こまめに気分転換をする強い光を避ける、またはサングラスや日傘、帽子などを持ち歩く騒音を避ける、または耳栓や音楽プレーヤーなどを持ち歩く

生理によるもの

女性の場合、生理前の頭痛に苦しんでいる人も多いもの。これは、エストロゲン(女性ホルモン)の減少が原因だと考えられています。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌は、セロトニンの分泌と比例関係があるとされています。つまり、月経前にエストロゲンが減ってしまうことによって、セロトニンも減ってしまいます。
 
このセロトニンの減少で血管が収縮し、頭痛を引き起こすのだそう。生理に伴う偏頭痛は、他の原因による偏頭痛と比べて非常に痛みが強いとされています。下記の対策を行って、女性ホルモンのバランスを整えるようにしましょう。

対策

産婦人科で経口避妊薬(ピル)を処方してもらうホルモン補充療法でエストロゲンをコントロールする早寝早起き、ウォーキングなどの軽い運動でセロトニンの分泌を促す

 
経口避妊薬(ピル)やホルモン補充療法は、生理前に急激に増減するエストロゲンの量を一定に保つ働きがあるため、脳内のセロトニンの急激な減少を防ぐことができます。また、規則正しい生活や軽い運動はセロトニンの分泌を促してくれるので、生理前に起きる偏頭痛の予防になります。
 
経口避妊薬(ピル)やホルモン補充療法は偏頭痛の改善に効果的ですが、人によっては悪化させてしまう場合もあるため、服用は医師の診断を仰いで慎重に行いましょう。

ストレスによるもの

ストレスを感じた時に頭痛を訴える人も多いもの。ストレスの原因をなるべく避けて、心の安定を保つのが有効です。

週末頭痛(精神的なストレス)

意外なことに、ストレスから解放された時にも偏頭痛が起こる場合もあります。「週末頭痛」と呼ばれ、仕事で常にストレスを抱えている人が、週末になると決まって偏頭痛を起こすことも多いようです。これは、ストレスで収縮していた脳の血管が、ホッとした瞬間に急激に緩むためだと考えられています。
 
仕事の量を調整するなどストレスを感じないようにするのが一番の対策ですが、難しい場合は次のことに気をつけて週末を迎えてみましょう。過ごし方を少し変えるだけで、週末の頭痛が軽減するかもしれません。

対策

休みの前の日に深酒をしない休みの日の寝坊は1時間程度にとどめる休みの日に朝食を抜かない

生活習慣によるもの

生活習慣や日常の何気ない行動が、偏頭痛の原因になっている場合があります。原因を見極め、適切な対処をしましょう。

(1)空腹時の偏頭痛

「お腹が空いた時に頭が痛くなる」という人は、低血糖が原因かもしれません。偏頭痛の原因のひとつとして紹介したように、血糖値が下がると、生命維持のために脳からアドレナリンが分泌されます。それにより、脳の血管が拡張してしまうのです。また、血糖値が低くなると、それを正常に戻すために、血液中に「遊離脂肪酸」と呼ばれる物質が放出されます。この「遊離脂肪酸」が脳の血管を傷つける「活性酸素」を作り出すため、偏頭痛を引き起こすともされています。
 
お腹が空いた時、クッキーやチョコレートなどの甘いものを食べると急激に血糖値が上がりますが、その後、急激に下がってしまうと偏頭痛の原因になります。空腹時は血糖値を緩やかに上げ、持続しやすい食べ物を選ぶとよいでしょう。

対策

低血糖を避けるため、三食しっかり食べる食事の時は、野菜から先に食べるお腹が空いた時に甘いものは食べないおやつにはナッツやドライフルーツなど、緩やかに血糖値を上げる食べ物を選ぶ

 

(2)血行促進による偏頭痛

運動した後に頭が痛くなるという人は、血行が促進されたため、脳の血管が一時的に拡張していると考えられます。ほかにも、入浴や飲酒などで血行がよくなると、頭痛が引き起こされることもあるそう。

対策

血流を落ち着かせるため、横になって痛みが和らぐまで休息をとる休息する時は静かで薄暗い場所を選ぶ(刺激の多い場所を避ける)頭や首筋を氷嚢などで冷やし、血流を落ち着かせる過度の飲酒を避ける

 
上記の要因に加えて、生活リズムの乱れは偏頭痛を起こしやすい体質にすると言われています。これまで挙げた対策で一時的な痛みを緩和するだけでなく、生活習慣そのものを改善することが、偏頭痛の根本的な対策にもなります。
 
生活習慣は自分でコントロールしやすいため、偏頭痛に悩まされている人は一度、自分の生活を見直してみると改善のヒントが見つかるかもしれません。

偏頭痛と眠りの関係

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偏頭痛の改善のため、ぜひ見直してほしいのが睡眠。睡眠不足は、偏頭痛を招く大きな要因の一つと言われています。

睡眠不足が偏頭痛を引き起こす理由

(1) ストレスが解消できない

十分な睡眠がとれていないと、疲労が回復しにくくなるだけでなく、ストレスも解消しづらくなります。また、睡眠不足の時は脳の処理能力が落ちているためミスをしやすく、それが原因となって新たなストレスを抱えてしまうことも。偏頭痛の主な原因であるストレスを解消するため、しっかり睡眠をとりましょう。

(2)自律神経が乱れる

自律神経には、リラックスしている時に優位に働く副交感神経と、興奮している時に優位に働く交感神経があります。睡眠中は副交感神経が優位に働き、交感神経を休ませてくれます。しかし、睡眠不足に陥るとこのバランスが崩れるため、常に脳の緊張が解けない状態になります。すると、緊張が緩んだ時に偏頭痛を起こしてしまうのです。

(3)脳の血流が低下する

睡眠不足は脳の血流を低下させます。すると、脳に血液を送り込むため血管を拡張させるセロトニンが分泌され、その影響で頭痛が起こるとされています。

偏頭痛改善のための理想の睡眠法

偏頭痛を改善するためには、質の良い十分な睡眠が効果的。次のことに注意して、睡眠の質を高めてみるとよいでしょう。

効果的な睡眠のためにできること

眠る1時間前までに入浴を済ませておく眠る1時間前になったらスマホ・PCなどは触らない部屋を暗くし、できるだけ音を遮断するゆったりとした動きやすい服装に着替える自分の身体に合った枕を使う寝酒はしない

 
質の良い睡眠は、拡張した脳の血管を元に戻してくれるとも言われています。偏頭痛に悩んだ時は暗くて静かな部屋で休み、そのまま眠ってしまうのも良いかもしれません。また、毎晩6時間以上の睡眠を目安に心がけ、睡眠不足にならないようにしましょう。ただ過度の睡眠はかえって偏頭痛の原因になるので、休日の寝溜めや長時間の昼寝は避けた方が良さそう。休日でも平日と同じくらいの時間に起きるよう心がけ、昼寝も30分〜1時間時間程度にとどめましょう。

痛くて眠れない時は?

偏頭痛の改善に睡眠はとても効果的ですが、「痛くて眠れない…」という時もありますよね。そんな時は、寝る前に次のことを試してみましょう。

(1)痛む部分を冷やす

拡張してしまった血管を引き締めるために、保冷剤や氷嚢などで痛む部分を冷やしましょう。通常の頭痛は温めた方が良いとされていますが、偏頭痛の場合は温めると悪化してしまうのでご注意を。

(2)ストレスの原因をなくす

強い光や音が苦手な場合は部屋を暗くしてテレビを消す、仕事などでストレスがたまっている時は好きな音楽を聴いたりアロマを焚いてリラックスするなど、自分がストレスを感じにくい環境をつくりましょう。

(3)ツボを押す

両耳からまっすぐ上へ上がった線と、眉間の中心から上がった線が交差する場所は、偏頭痛に効果的な「百会(ひゃくえ)」というツボです。また、首の後ろの髪の生え際にあるくぼんだ部分にある「風池(ふうち)」というツボも、頭痛を緩和する効果があるといわれています。

(4)薬を飲む

何をしても痛みが消えず、生活に支障をきたすという時は、薬を使うことも検討した方がよいでしょう。薬局で市販されている頭痛薬で効果がない場合は、医療機関を受診して偏頭痛のための薬を処方してもらいましょう。

偏頭痛の予防法

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いつ襲ってくるかわからない偏頭痛。痛みを予防する方法をまとめました。

自分が何にストレスを感じるかを理解しておく

まぶしい光や大きな音、きつい香水のにおいなど、自分が不快に思うものを知っておきましょう。事前にその場所やものを避けることで、ストレスを予防します。

食生活の改善

偏頭痛の原因になる食べ物を減らし、偏頭痛の改善に効果的な成分を含む食品を積極的に摂りましょう。下記の食品は、セロトニンの放出を促す力が強く、血管を収縮させるため、それが消化された後に血管が急激に拡張して偏頭痛を起こしやすいと言われています。偏頭痛に悩んでいる人は、避けたほうがいいかもしれません。

偏頭痛を起こしやすい食べ物

ワイン(特に赤ワイン)チーズ(特にブルーチーズ)チョコレートハムやベーコンなどの加工肉

 
一方、偏頭痛の改善に効果的とされているのが下記の食べ物。レバーや海藻類に多く含まれるビタミンB2と、海藻類や貝類に多く含まれるマグネシウムは、臨床実験により偏頭痛の改善に効果があるとされています。

偏頭痛の改善に効果的な食べ物

レバーひじき、のり、昆布などの海藻類アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類米ぬか小麦胚芽煮干し麻の実

 
薬を飲んでも効果がないこともある厄介な偏頭痛ですが、適切な対処法がわかっていれば、大切な予定をドタキャン…なんてことも少なくなるかもしれませんね。
 
<参照>
『脳も体もガラリと変わる! 「睡眠力」を上げる方法』白川修一郎(永岡書店)
『お医者さんにも読ませたい 「偏頭痛」を治す方法』後藤日出夫(健康ジャーナル社)
『頭痛治癒マニュアル』山王直子(本の泉社)
『頭痛薬をやめて頭痛を治そう!』陣内敬文(現代書林)
 

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