上司「お茶お願い」部下「嫌です」上司「え?」――命令を断ると最悪解雇?

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上司からお茶出しを命令される部下。ドラマなどでも描かれる日本のオフィス像として典型的とも言えるこの光景について、疑問に思ったことはないだろうか? 「本当に彼ら彼女らはお茶出しをしなければいけない義務などあるのだろうか?」と。「教えて!goo」にも「上司からの命令であれば、たとえどんなことでも従わなければならないのでしょうか」という投稿がなされている。

■世間では……

今回の質問に対する回答としては、抵抗することを勧める意見や従うべきだとする意見、折衷的な意見に分かれた。

「業務に関係のない指示は、きっぱりと断ることが大事です。『こいつは何を言っても逆らわない』と思われてますから、一度『その支持に従う必要はありません』と口にしましょう」(hata。79さん)

「犯罪行為に類するものでなければ 従うのが当然です」(Njssionさん)

「程度問題ですが、長いものには巻かれろ的な諦め戦法でいくか、退職覚悟で立ち向かうか、できる範囲で抵抗するか。具体的な内容が不明ですが、それぞれの場面に合わせて選択していくことになると思います」(hakobuluさん)

ご覧の通り回答者によって考え方が全く違うことがわかる。

■法律上、業務命令はどこまで従わなければならないのか?

では法律的には従わなければならないのだろうか? 労働問題に詳しい加塚裕師弁護士に話を伺ったが、前提として業務命令が業務命令として認められるためにはいくつかの要件があるという。

「業務命令の有効性については、各命令の内容に応じて必要性、合理性を考慮し判断されることになります。業務上の必要性、内容の相当性、人選の合理性、手続の相当性等が満たされていれば、これらの業務命令は有効であると考えられます」

では、業務命令に背いた場合の処遇はどうなるのだろうか。

「業務命令が有効であったとしても、解雇は労働者を企業から放逐する過酷な処分であることから、解雇の有効性は厳格に判断されます。具体的には、労働者による命令拒否が固執的、反復継続的で是正の余地がなく、使用者に労働契約の継続を期待しがたいような事情がある場合に解雇が認められることになります」

例えばお茶出しの命令についてはどう判断されるのだろうか。

「業務命令それ自体の有効性が問題となります。この見地からすると、お茶出しはその必要性、合理性自体に疑問が生ずるところです」

その他、例えば所持品検査や健康診断、染髪などはどうだろうか。

「所持品検査、健康診断、染髪などは一定の場合、業務命令をなし得る必要性、合理性は肯定しうるとしても、これらは労働者のプライバシーにも関わることから、その業務命令としての有効性は慎重に判断されることになります。そのうえで有効な業務命令と判断された場合には、その命令拒否にあたっての労働者の固執性、反復継続性の有無を検討し、これが肯定される場合には解雇も正当化される場合もありうると考えられます」

業務命令に従うべきだとする主な理由として「会社のために働いているんだから」というものがある。しかし安易に会社のためと流されてはいけない。何が本当に「会社のため」になるのかをきちんと判断する事が必要ではないだろうか。

(島田俊)

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