ASKA容疑者(Motoo Naka/アフロ)

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 2年前に覚せい剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕され、日本中を驚かせたあの人気ミュージシャンが、再び薬物に手を出したのか――。

 28日、警視庁が同法違反の疑いで、ASKA(本名:宮崎重明)容疑者に対する逮捕状を取ったと一斉に報じられた。すでに身柄は警視庁に移送されている。ASKA容疑者は2014年、同法違反などの罪で懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、執行猶予中の身だった。

 なぜASKA容疑者は再び覚せい剤に手を染めたのか。一般的なケースとして、覚せい剤使用で逮捕・服役経験のある人が再犯に至る原因には、どのようなものがあるのか。また、薬物使用を断ち切るためには、どのような有効的対策があるのだろうか。

 薬物依存症からの回復を目指す人を支援する組織、日本ダルク職員の三浦氏に話を聞いた。

●意志の方向を変える

――覚せい剤使用で逮捕歴のある人が、再犯に至る理由は?

三浦氏 覚せい剤使用における再犯率は約6割だといわれていますが、再犯に至ってしまうもっとも大きな理由は「やめ続けることができなかった」ということに尽きます。使用をやめて20年以上経過しても、使用時の気持ち良さを忘れられず、しばしば「使用したい」という気持ちにかられる人も多いです。

――覚せい剤をやめられた人は、なぜ「やめられた」のでしょうか?

三浦氏 あくまでも「現時点では、やめ続けていることができている」ということであり、自分自身で「もう、やめることができた」と思ったらダメです。また、「薬物をやめよう」と思うと、薬物のことを思い出してしまいます。ダルクでは、薬物依存症からの脱却を目指す方が、自分と同じく薬物依存症の方の回復を手助けすることで、「やめ続ける状態を保つ」という手法をとっています。実際に私もこの方法で、20年以上も薬物を使用していません。

 私がダルクにボランティア職員として通うようになった当初、「覚せい剤をやめるために、強い意思を持とう」と思っていました。しかし、ダルクで「強い意志は役に立たない」と教わりました。意志を強くする方法を考えるのではなく、他の依存症の方の回復をサポートすることによって、「意志の方向を変える」「生き方や価値観を変える」ことで、私は現在も薬物をやめている状態を続けられています。

――ASKA容疑者は最近、楽曲制作に取り組んでおり、近々無料動画サイト上で発表予定であることを自身のブログで明かしていました。こうした制作活動がストレスになったことが、再び覚せい剤に手を出した原因の一つにあるのではないか、という見方もあります。

三浦氏 覚せい剤経験者が再犯に至る要因として、「ハングリー(空腹)」「アングリー(怒り)」「ロンリー(孤独)」「タイアド(疲れ)」の4つがあり、これらのなかで一つでも揃うと使用に走る危険が高まります。また、覚せい剤を使用するためには、「(買うための)お金」「(使うための)場所」そして「時間」の3条件が揃う必要があります。こうした条件をASKA容疑者は満たしてしまったのかもしれません。
(構成=編集部)