フェイスブックの広告収入、偽情報が大幅に貢献? 金額の算出は可能か

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虚偽情報がフェイスブックで拡散される問題が注目を集めている。そして、この問題に関しては答えがまだ示されていない重大な疑問がある──偽ニュースを排除したら、同社の収入はどの程度、減少するのだろうか?

ウェブメディアのバズフィードは11月17日、先の米大統領選の前にユーザーが偽ニュースの閲覧に費やした時間は、大手メディアのニュースを大きく上回っていたとする分析記事を掲載した。そして、ハーバード・ビジネス・スクールのベン・エデルマン教授は、こうした偽ニュースが同社の広告収入にどれだけ貢献しているのか、正確に割り出すにはより多くのデータが必要だと指摘している。

同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、偽ニュースを報告するための「フラグ」機能を許可するとした一方で、排除する対策には消極的だ。虚偽情報に関連した広告から得る収入の割合が大きいということになれば、その理由が分かる。

筆者はこうした自身の考えについて、フェイスブックにコメントを求めた。回答が得られれば、後日それについてお伝えしたい。

偽情報に対する心理とFBの利益

何を偽ニュースと呼ぶか、定義は簡単だ。ニュースをまねて伝えられる虚偽の情報だ。私たち人間には、「確証バイアス」と呼ばれる傾向がある。自分自身の考えに対する確信を強める根拠になる情報を重視し、一方で自らの考えに反する情報を拒否する。情報がシェアされる回数がその非理性的な傾向によって増えるという点で、偽ニュースには効力がある。

つまり、偽ニュースはフェイスブックにとっても都合の良いものだ。フォーブスの寄稿者ハワード・ユーは11月17日付けの記事の中で、16億人を超えるユーザーを擁するフェイスブックは今年第3四半期、月間200万近くに上る広告主から約70億ドル(約7,830億円)の収入を得たと指摘。さらに、偽ニュースに対する「いいね!」や「コメントする」「シェアする」といったリアクションの数は、「本物の」ニュースを上回ったと説明している。

また、偽ニュースにリアクションがある割合は54.2%で、大手メディアのニュースに反応がある割合の45.8%より多くなっているという。

また、前出のバズフィードの記事によれば、大統領選に向けた選挙活動中の重要な時期に投稿された偽ニュースのうち、閲覧回数が多かった記事の上位20本に対するリアクション数は約871万1,000に達した。一方で、報道機関が掲載したニュースの上位20本への反応は、およそ736万7,000件だったという。

これは、フェイスブックが得た広告収入のうち54.2%が偽ニュースによるものだということを意味するのだろうか──?ユーザーが記事を読んでいる以外にフェイスブック上で行っている行動に費やす時間の長さを考慮すれば、それほどの割合にはならないと考えられるだろう。

関連収入の推計は可能か

フェイスブックに掲載される広告には、インプレッション単価で課金されるものもあるが、大半の広告はリンククリック単価で料金を支払っている。ユーザーが一度のセッションで費やす時間からみても、一定の割合で広告はクリックされているはずだ。

一方で、フェイスブックが偽ニュースから得ている収入を推計するためには、アナリストらはユーザーが友人や企業などとのやりとり、ニュースの閲覧に費やしている時間を把握する必要がある。その時間の割合が分かれば、金額を割り出すことが可能になるはずだ。

エデルマン教授はこれに関して、フェイスブックが偽ニュースを排除しても、広告収入がそれほど大幅に減ることはないとの見方を示している。

「偽ニュースを排除することができれば、その分だけ本当のニュースの数が増えるだろう。そして、ユーザーがそれらを閲覧するのに費やす時間が変わらないとすれば、広告収入も変わらないはずだ」

実際にはどれだけの金額を偽ニュースから得ているのか、フェイスブックには本当のところを明らかにしてほしいものだ。