「旅の再発明」に挑むエアビーアンドビー 創業者が語る新戦略の狙い

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エアビーアンドビー(Airbnb)は今、”ホームシェア”という枠組みを超え、別の次元に突き進もうとしている。11月17日、同社は「トリップ」という新たな概念のもと、体験(Experiences)やスポット(Places)と呼ばれる新サービスの導入を発表した。

”体験”コーナーには、数日間のサーフィン体験ツアーやバイオリンの制作等の企画が並ぶ。”スポット”のコーナーには地元の住人が案内するワイナリーめぐりや食べ歩き等の企画が掲載されている。

エアビーアンドビーはこれからどこへ向かおうとしているのか。筆者は同社の共同創業者でCTOを務めるネイサン・ブレチャージクに独占取材を行なった。

――新企画を導入した意図を教えてください。

僕らは旅を通じて世界の見方が変わる体験を与えたいと思っている。これまでエアビーアンドビーは「宿泊」の領域を手がけてきたが、今後は「体験」や「スポット」にフォーカスしていく。そこではホストたちが体験をキュレーションする役割を果たす。自分の知識や愛情を、ゲストたちとシェアしながら収入も得られるという非常にエキサイティングな場所を提供していく。

――現在、新コーナーの利用はロサンゼルスやサンフランシスコ、東京などの世界12都市で可能ですが、導入にあたってはベータテストを重ねたそうですね。

数ヶ月前から各国の都市で実験を重ね、フィードバックをもとにサービスを磨きあげてきた。体験を提供したいホストらはまず申請を行ない、審査を経た後に掲載される。サービスの開始段階から十分魅力的なサービスを提供しようと思った。これまでのエアビーアンドビーとは違ったアプローチをとった。

旅の目的地は重要ではなくなる

――新サービスのユニークな点はサーフィンや食べ歩き等、自分の好きなテーマでゲストをもてなし、収入が得られる点だと思います。今後の見通しとして、ホストたちはこれを生活の手段とする人が多くなるのか、それとも趣味ベースの人が中心になるか、どのように考えますか?

部屋の貸し出しの場合と同様に、どちらのケースもありうる。大事なのはホスト自身が楽しいと思える体験をシェアして、経済的メリットも得られるという点だ。

――価格についてはどう考えますか。エアビーアンドビー利用者の大半は普通のホテルよりも安いことを魅力と考えています。ホスト側には価格設定の提案のようなものは行なっていますか?

マーケットプレイスというプラットフォームの性質上、価格は需要と供給のバランスで決まっていく。現状では体験の半数は200ドル以下で提供されているが、特に価格の縛りは必要ないと思っている。僕らのゴールは体験を通じて、人々の世界の見方を変えることだ。現在よりも少し高い値段でも受け入れられるのではないかとは思っている。

――今回の仕様変更でアプリ内の検索から、目的地の入力が必須でなくなりました。これは、人々に「どこに行くか」よりも「何をするか」を重視してほしいという願いの現れでしょうか?

全くその通り。僕らは人々の旅のプランの立て方を変えたいと思った。旅で大切なのは忘れられない思い出を得たり、自分の変化を実感することだ。これからの世界では、どこに行くかはそれほど重要じゃなくなる。

――エアビーアンドビーは既に宿泊の分野で同じことを達成していますよね。例えばツリーハウスに泊まりたい人は、特定の目的地にツリーハウスがあるからそこに行くのではない。ツリーハウスに泊まるという体験こそが重要なんですよね。

素晴らしい例だと思う。これまでの旅の決まりごとを取り払い、人々が新たな体験を発見できるプラットフォームにしたい。それが、今後のエアビーアンドビーが進んでいく道だ。