by Blatant World

2016年11月8日、インドのナレンドラ・モディ首相は高額紙幣である500ルピー(約815円)と1000ルピー(約1630円)の流通を11月9日から差し止めることを発表しました。これは偽造紙幣や不正蓄財などの根絶が目的。モディ首相は「『100%キャッシュレス社会』にすることが不可能なのはその通りですが、小キャッシュ社会を目指そう」と呼びかけています。

Bharat bandh: Day ahead of nation-wide protests, PM Narendra Modi, opposition spar over demonetisation - Times of India

http://timesofindia.indiatimes.com/india/Day-ahead-of-nation-wide-protests-PM-Narendra-Modi-opposition-spar-over-demonetisation/articleshow/55652577.cms



India's Modi calls for move towards cashless society | Reuters

http://www.reuters.com/article/us-india-modi-digital-payments-idUSKBN13M07Z

モディ首相は11月8日に行ったテレビ演説の中で、翌9日0時から高額紙幣を無効にすると宣言。無効になった紙幣の流通量は全体の80%に上り、人々は新紙幣への交換や、旧紙幣のATMへの預け入れを行うべく銀行に殺到しました。窓口での紙幣交換は11月24日に中止となったので、以後は銀行に口座を作って預け入れることになります。

高額紙幣廃止のインド、旧紙幣と新紙幣の窓口交換を中止に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

http://www.afpbb.com/articles/-/3109169

モディ氏は2014年の総選挙で「腐敗に立ち向かい『ブラックマネー』と戦う」という公約を掲げて戦って勝利し首相になったので、今回の措置は公約を守ったということです。

ウォールストリートジャーナルによれば、インドで流通している紙幣のうち40億ルピー分が偽札で、1000ルピー紙幣は4000枚に1枚が偽札だとのこと。偽札だと見破る確率は80%で、これを90%に引き上げられれば偽札の流通量を3年から5年で半減させられる見込みでしたが、一気に根を断ちにいった形です。

上述のように、この施策によって混乱がもたらされていますが、住宅開発金融会社のDeepak Parekh会長は「モディ首相による改革は破壊的なもので、不便ではありますが、中期的視点ではとてもよい施策です」と語っています。

問題は、インドでは多くの人々に「現金以外を用いる」ということが根付いていない点です。Googleインドとボストン・コンサルティング・グループの調査によると、アメリカやイギリスでは全体の20%から25%だという現金決済の割合が、インドでは78%にも上ります。日本経済新聞によれば、約13億人という人口のうちクレジットカードを保有しているのはわずか2%で、銀行口座利用率も50%と「タンス預金」が圧倒的。所得税の納税者も全体の3%だそうです。

これを機に、お金が銀行を経由するようになれば、その流れを把握することで、テロリストへの資金流出の防止もできるようになるというわけです。

北欧諸国ではキャッシュレス社会への移行が急スピードで進んでいると言われていますが、インドもスマートフォンの普及によってデジタル決済が広まれば、本当にキャッシュレス社会の仲間入りをするかもしれません。