10月27日(日)、2016 F1最終戦アブダビGPが、ヤス・マリーナ・サーキット(全長5.554km、周回数55周)で開催されました。

1

今シーズンは最終戦までドライバーズチャンピオンが決まらないという、大接戦。やはり最終戦まで誰がチャンピオンになるのか分からないほうが、ドキドキワクワクして楽しいですよね。

第20戦ブラジルGP終了時点のランキングは、ニコ・ロズベルグ選手(メルセデス)367ポイント、ルイス・ハミルトン選手(メルセデス)355ポイント。ハミルトン選手が逆転優勝するには優勝が絶対条件で、なおかつロズベルグ選手が4位以下で終わらないといけないという、ロズベルグ選手が圧倒的に有利な状態です。

ポールポジションのハミルトン選手と、2番手のロズベルグ選手が1コーナーでぶつかったらどうしよう・・・なんていう妄想をしてしまいましたが、フロントローの二人は何事もなくレースはスタートしました。5番手スタートのマックス・フェルスタッペン選手(レッドブル)はニコ・ヒュルケンベルグ選手(フォースインディア)に接触、スピンをしてしまい最後尾まで順位を落とします。

13周目、今季かぎりでF1を引退するジェンソン・バトン選手(マクラーレン)の様子がおかしい! なんとターン9の縁石に乗った際に右フロントのサスペンションが故障してしまい、ラストレースをリタイアで終えることになってしまったのです。観客席からは温かい拍手が送られ、ガレージではバトン選手のお母さんが涙でお出迎え。そしてバトン選手がチーム一人一人と握手し終わると、サスペンションが故障した時の様子をクルーに報告しに行ったではありませんか。最後の最後までF1ドライバーとしての役割を果たしている姿に、涙がとまりませんでした。

バトン選手の走りを見て、F1が大好きになった私にとってバトン選手の引退は未だに信じられないこと。ラストレースは完走して笑顔でレースを終えて欲しいと願っていたのですが、とても残念な結果となってしまいました・・・。でも、ヘルメットを外したバトン選手の穏やかな表情で少しだけ救われたかも。

バトン選手はこれからもずっと、私の中の「ICHIBAN」のF1ドライバーです。F1参戦17年全305戦、ファンとしては長いようであっという間だった彼のF1人生。本当に本当にお疲れさまでした! そして最後まで素晴らしい走りを見せてくれてありがとう!!

20周目、1回目のタイヤ交換を終えたロズベルグ選手がまだタイヤ交換を行っていないフェルスタッペン選手に追いつきます。チームからロズベルグ選手に「フェルスタッペンは後数週でピットに入るから、無理に抜くことはない。」と無線で指示がでましたが、ロズベルグ選手はプッシュ。ホイール・トゥ・ホイールの超接近戦で(タイヤとタイヤの距離が10cmもなかったほど!)、フェルスタッペン選手をオーバーテイク! きっと一番手を走るハミルトン選手に追いつきたい一心だったのでしょう。もう、かっこよすぎる!!

最終スティント、とんでもない出来事が起こりました。ハミルトン選手のペースが上がりません。ロズベルグ選手、そして3番手を走るセバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)がどんどん近づいてきます。マシントラブルか? と思った矢先、ハミルトン選手のペースはいつも通りに。そしてしばらくするとまたペースダウン。一体どうしたのでしょうか。

実はこれ、ハミルトン選手の戦略だったのです。冒頭にも言いましたが、ハミルトン選手のチャンピオン獲得条件は優勝してロズベルグ選手が4位以下。わざとペースを落として、ロズベルグ選手を後続とのバトルに巻き込まれるようにしたのです。でもスローペースにするということは、ロズベルグ選手にハミルトン選手を抜くチャンスを与えているのも一緒。かなりリスクの高い戦略ですが、さすがハミルトン選手。抜かれそうな所までロズベルグ選手が接近してきたら、スーッとペースを上げるのです。この状況にはエグゼクティブディレクターのパディ・ロウも思わず「ルイス、ペースを上げてくれ。」と指示を出すほど。

 

トップから3.5秒の間に4位までのマシンがいるという状況が続くなかロズベルグ選手は2位を見事に守りきり、F1参戦から11年、ようやく初のワールドチャンピオンを獲得しました! やったー!! チェッカーフラッグ後、ホームストレートでドーナツターンを披露し喜びを爆発させたロズベルグ選手。ポディウムでは「私の妻にこのチャンピオンを捧げたい。父と同じことを成し遂げられて嬉しいです。」と涙を浮かべていました(お父さんは1982年F1ワールドチャンピオンのケケ・ロズベルグ)。

ハミルトン選手の最後まで諦めない気持ち、そしてロズベルグ選手の意地。「F1ってやっぱり面白い!」と思わせてくれた、最高の最終戦となりました。

全21戦と長かったシーズンも終わり、今は少し抜け殻状態ですが(笑)、来シーズンのF1を楽しみに待ちたいと思います!

アブダビGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#6/ニコ・ロズベルグ/メルセデス
3/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
4/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
5/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
6/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
7/#27/ニコ・ヒュルケンベルク/フォースインディア
8/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
9/#19/フェリペ・マッサ/ウィリアムズ
10/#14/フェルナンド・アロンソ/マクラーレン

(yuri)

ペースを下げロズベルグを4位以下に落とす1位ハミルトンの戦略、結果は?【2016F1最終戦アブダビGP】(http://clicccar.com/2016/11/28/421430/)