市民の足となる地下鉄の運賃が無料になる、という珍しい出来事がアメリカ・サンフランシスコで起きました。地下鉄の運賃を全線無料としたのはサンフランシスコ市交通局(SFMTA)が運営する「サンフランシスコ市営鉄道(Muni)」で、その理由をSFGateが報じています。

Free rides for Muni customers after apparent computer hack - SFGate

http://www.sfgate.com/bayarea/article/Free-rides-for-Muni-customers-after-apparent-10637873.php

SFMTAは、11月26日(土)の地下鉄運賃を無料としました。26日にサンフランシスコのパウエル駅にある券売機へ行くと、画面上にはピンク色の文字で「Out of Service(使用停止)」と表示されており、その上からSFMTAの職員が手書きで「Metro free(地下鉄無料)」と書いた紙を貼り付けていました。



SFMTAのスポークスマンであるポール・ローズ氏によると、11月25日(金)にSFMTAの職員のコンピューター画面上に「You hacked(あなたはハッキングされました)」というメッセージが表示され、当局のコンピューターシステムがハッキングされたことが明らかになったそうです。そして、SFMTAが地下鉄の運賃を無料にしたのも金曜日の遅い時刻からだそうで、これは「顧客への影響を最小限にするための処置」とローズ氏は語っています。しかし、この「影響」が何かについてはコメントを避けており、運賃を無料にした理由が「コンピューターシステムがハッキングされたから」かどうかは明らかになっていません。

しかし、25日から地下鉄の運賃が無料になったことで、SNS上では各駅の様子などが拡散されています。

「COMPUTERS DOWN Free Fare(コンピューターがダウンした。運賃無料)」の貼り紙。



どの駅の券売機も使用停止状態になっていたようです。



The San Francisco Examinerの記者であるジョー・フィッツジェラルド・ロドリゲス氏は、地下鉄の駅でコンピューター画面上に「You Hacked」と表示されていることに気づき、写真を撮影しています。



駅の職員のコンピューター上に表示された画面はこんな感じ。コンピューター上のデータがすべて暗号化されてしまっていることがわかり、解除キーを入力しなければ中のデータにアクセスできないランサムウェアに感染したことがわかります。



The San Francisco Examinerによると、SFMTAコンピューターシステムがランサムウェアに感染しており、ハッカーは7万3000ドル(約810万円)の身代金を要求してきたとのこと。また、Hoodlineの報道によると、SFMTAのコンピューターネットワークを形成する8656台のコンピューターのうち、ハッカー側は2112台をコントロール下においているそうです。