習慣的な運動の効果は絶大

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米国糖尿病学会(ADA)は、「長時間座位が続いている場合は、90分おきに3分程度軽い身体活動をする」としていた旧ガイドラインを、最新の研究結果に基づき改訂し、「30分おき」に身体活動をするよう推奨する新ガイドラインを発表した。

軽い身体活動の内容は、手足のストレッチやウォーキング、その場での足踏み程度で、本格的なトレーニングやフィットネスではない。

今回の改訂は、過去10年間で発表された185件の論文を精査し、運動によって糖尿病患者の心血管疾患リスクの低下や、血糖コントロールの正常化、インスリン抵抗性の低下が期待できるとする高いエビデンス(科学的証拠)が得られたことに基づく。

そのため、軽度の身体活動とは別に、有酸素運動や筋力トレーニングを1週間に150分以上実施することも推奨するなど、日常的な運動を重視した内容となっている。

1型、2型、妊娠糖尿病、糖尿病の一歩前といわれる糖尿病前症など、症状ごとに有効な運動の内容や実施時間が具体的に示され、いずれの症状でも1日30分以上の運動を毎日実施した場合、非常に高い効果が期待できるという。

ADAは「時速9キロのランニングを毎日30分以上実施しろ、というような過度な運動は、糖尿病患者には現実的に不可能であり、実施可能な運動をこまめに取り入れるべき」とコメント。

家事やペットの散歩、ガーデニングなど、日常生活の中で体を動かす行為を長めに実施するよう心がけることはメリットがあるとする一方、ヨガや太極拳などの代替トレーニングを運動の主体として長時間実施しても、糖尿病改善でのメリットは少なく、「ウォーキングや筋トレを日々こまめに取り入れていく方がよい」としている。

ガイドラインの詳細な内容は、2016年10月25日、ADA公式雑誌「Diabetes Care」で発表された。

参考論文
Physical Activity/Exercise and Diabetes: A Position Statement of the American Diabetes Association.
DOI: 10.2337/dc16-1728

医師・専門家が監修「Aging Style」