国際エネルギー機関のビロル事務局長が日本記者クラブで会見。再生可能エネルギーが全世界の発電量に占める割合は現在の25%から5年後には28%に上昇すると指摘。特に発電量の伸びが大きい中国では、増加発電量の半分を再生可能エネルギーで占めるという。

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2016年11月25日、国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長が日本記者クラブで会見した。地球温暖化を抑制するために有用な再生可能エネルギーが全世界の発電量に占める割合は現在の25%から5年後には28%に上昇すると指摘。特に発電量の伸びが大きい中国では、増加発電量の半分を再生可能エネルギーで占めるという。また石油輸出国機構(OPEC)が今月末に開く総会で、減産などの生産調整に合意すれば、現在を下回る水準にある原油価格(現在1バレル=50ドル弱)が60ドルの水準に向かって上昇する可能性があるとの見通しを示した。発言要旨は次の通り。

2015年の全世界の発電量のうち23%を水力、風力、太陽光などの再生可能エネルギーが占め、さらに21年には28%まで上昇すると予測している。太陽光の発電コストは21年までに25%下がり、2001年時点と比較すると、再生可能エネルギーの発電量は15年に約2倍に増えて、2021年には2.6倍以上の規模になる。

2017〜2021年の5年間に再生可能エネルギーを利用する発電設備が全世界で大幅に増加する。特に中国では風力、太陽光の伸びが突出。年間発電量で比較すると、中国では火力や原子力を含めた総発電量が2015年と比べて1兆2000億kWh(キロワット時)以上も増えるが、そのうち半分近くを再生可能エネルギーが占める見通し。インドやASEAN(東南アジア諸国連合)、アフリカ諸国でも同様の傾向がある。

EU(欧州連合)、米国、日本などでも、発電量全体の伸びを上回って再生可能エネルギーの電力が拡大する見通しだ。日本では2021年までに1000億kWh近い電力が新たに再生可能エネルギーで生み出され、21年には発電量全体の20%以上に達する可能性が大きく、30年の国の目標値(22〜24%程度)に近づく。

再生可能エネルギー発電量を種類別に見ると、2015年時点では従来からの大規模発電所が多い水力が71%を占め、次いで風力が15%、バイオマスが8%で、天候によって発電量が変動する太陽光は4%にとどまる。

この比率が2021年になる、水力が59%まで低下する一方、風力が21%に、太陽光も9%に上昇する。再生可能エネルギーによる発電量は2015年から2021年までの6年間に7兆6000億kWh以上も増加する見込みで、そのうちの約3分の2を風力と太陽光が占める。

石油輸出国機構(OPEC)が今月末に開く総会で、減産などの生産調整に合意すれば、現在を下回る水準にある原油価格(現在1バレル=50ドル弱)ガ60ドルの水準に向かって上昇する可能性がある。ただ60ドルをつければ、米シェール企業の増産が予想されるため価格押し上げのために生産を抑制するか、難しい判断を迫られる。(八牧浩行)