生食を避けて、目視で幼虫がいないか観察を

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魚介類に寄生し、食中毒を引き起こす「アニサキス」。刺身など魚を生で食べる際には要注意だ。一方で、温かいものを食べる回数が増える冬でも、アニサキスによる被害は多い。

J-CASTヘルスケアの記者はあわや、アニサキスとみられる寄生虫を食べてしまうところだった! 鍋の食材用に購入したタラに潜んでいたのだ。

寒い11〜12月にも2ケタの食中毒患者

厚生労働省はウェブサイトで、アニサキスによる食中毒を予防するよう呼びかけている。幼虫はサバやイワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジといった魚介類に寄生する。こうした魚を生、あるいは冷凍や加熱が不完全なまま食べると、幼虫が胃壁や腸壁に侵入して激しい腹痛を引き起こす。

記者がアニサキスと思われる寄生虫を見つけたのは、鍋の具材にするために近所のスーパーから買ってきた生のパックのタラの切り身だった。下ごしらえのためにキッチンタオルに包んで置き、「そろそろいいかな」とキッチンタオルをとると、クネクネと動くものが切り身の上にいた! その様子は、記者が撮影した動画を見ていただきたいが、肉眼ではっきり見える大きさで、とてもグロテスク、動きも気味が悪い。

厚労省によると、直近の2015年のアニサキスによる食中毒届出患者数は、最多が9月の24人だが、2番目に多かったのが11月と7月の13人、さらに12月も11人に上った。2016年11月も、報道されているだけで埼玉県や佐賀県で食中毒患者が出ている。寒い季節でも油断できない。

家庭にある食酢で処理してもダメ

一般消費者にとっての予防策としては、「魚の内臓の生食を避ける」「目視で観察してアニサキス幼虫を除去する」が挙げられる。家庭にある食酢での処理では幼虫は死滅しない。塩やしょうゆ、わさびも効かない。また厚労省は事業者に向けて、徹底した加熱や冷凍を呼びかける。加熱の場合は60度で1分、70度以上なら瞬時に死滅する。冷凍処理だとマイナス20度で24時間以上なら感染性が失われる。

これから年末年始に向けて、忘年会・新年会など大勢と会食する機会が増えるだろう。魚を生で食べる際はもちろん、鍋物で魚が使われている場合には十分加熱しているか注意を払いたい。記者も、見つけたアニサキスは徹底処理したうえでタラ入り鍋を食べ、その後も健康だ。