韓国側のドタキャンから4年余。日韓両国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が署名された。韓国内で依然として反対の声を上げる野党側に対し、保守系の有力紙は相次いで批判の論陣を張っている。

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2016年11月25日、日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が23日、ソウルで署名され、発効した。韓国側の署名ドタキャンから4年余。韓国内では野党を中心に依然として反対の声が根強いが、保守系の有力紙は相次いで「どこが日本の軍事大国化につながるのか」などと野党批判を展開している。

野党批判の急先鋒は、朝鮮日報。日韓両国がGSOMIAに仮署名した翌日、「韓日GSOMIAのどこが日本の軍事大国化につながるのか」との社説を掲載した。

同紙は「国家の存亡に関する外交・安全保障上の事案と崔順実氏の国政介入疑惑を結び付けて反対したり、白紙に戻そうとしたりするのは、責任ある野党が取るべき態度ではない」と主張。「野党は協定で日本の自衛隊が韓国の領域に入る根拠が整備されると主張する。典型的な扇動だ。この協定は、交換された情報の流出を防ぐのが主目的なのに、どうして日本の軍事大国化につながるのか、理解できない」と指摘した。

さらに朝鮮日報は2日後、「韓日GSOMIA仮署名に気が狂った韓国野党」との社説で追い打ちをかけた。社説は野党側が国防相の解任決議案を国会に提出したことに触れ、「韓国軍の統帥権者が事実上の植物状態に置かれる中、国民はせめて韓国軍だけはしっかりとその使命を果たしてほしいと願っている」と強調。「目の前にある北朝鮮の脅威から国を守ろうとする切実な思いが少しでもあるのなら、このように気が狂った行動はしないはずだ」と非難した。

中央日報も「韓日軍事情報包括保護協定は締結されるべき」との社説を掲載。「朴槿恵−崔順実ゲートで政府の正当性に疑いの目が向けられている状況ではあるが、国民の命がかかった安保懸案までオールストップさせることがどうして民心なのか」と論難。「責任ある野党なら、これ以上政府の足を引っ張るべきではない。間違った事実で国民を扇動するべきではない。そのようにしてもたらされる武装解除の最も大きな被害者こそが国民だ」などと訴えた。

一方、東亜日報は「韓日軍事情報包括協定を締結、これ以上顔色をうかがうことはない」との社説で、日韓GSOMIAに反発している中国に言及した。「日本が最先端の偵察衛星や偵察機などで収集した北朝鮮の核とミサイル関連信号や映像情報と韓国が地理的利点を生かしてイージス艦や長距離対空レーダーなどで捉えた関連情報を選択的に共有できることになる」などと協定の効用を列挙。その上で「北朝鮮が核とミサイルを放棄しない状況で、脅威に対抗して韓国が自衛的措置を取ることに対して中国がとやかく言うことではない」と述べた。

聯合ニュースによると、韓国ギャラップが18日に発表した日韓GSOMIAに関する世論調査結果では59%が「日本との軍事協力を強化してはならない」と回答。有力紙の後押しにもかかわらず、「協定が安全保障に役に立つ」との回答は31%にとどまった。(編集/日向)