安倍首相とトランプ氏のゴルフ対決はあるのか?

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 コラムニストでデイトレーダーの木村和久氏が、近頃気になるニュースをピックアップし独自の視点で読み解きます。今回は、トランプ氏と安倍首相の相性をゴルフ的観点で考察。

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 なにはともあれ、安倍首相とトランプ次期米国大統領の会談は、無事に終わったようでホッとしております。話題になったのは、お互いのお土産が、ゴルフグッズだったことです。双方ゴルフ好きですから、ゴルフ関連で盛り上がれば、打ちとけるのも早いかと思います。今後、ふたりは再会を果たし、仲良くラウンドする可能性もあるでしょう。そうなると、ゴルフ業界の熱いニュースとなり、ゴルフブームが起こるやも知れません。

 かつて、当時の皇太子さまと美智子さまが軽井沢でテニスデートをされて、空前のテニスブームが起こりました。そこで、タイガー・ウッズ以来のゴルフブームを密かに期待しつつ、日米両首脳のゴルフ戦闘力を比較してみたいと思います。

 まずは、何かと注目されているドナルド・トランプ氏。安倍首相にあげたのは、ポロシャツなどのセットとお手頃品でしたが、本人の総資産は5000億円以上。ゴルフ場を18も持っている、本物のセレブです。トランプ氏のゴルフの腕前はかなり上手という評判です。ショットをしている動画を見る限り、全身を使ったダイナミックなスイングで、相当飛ぶと思われます。ある情報によれば、ハンデは5で、ホールインワンを5回、ベストスコアが60って…、ほとんどプロじゃないですか。

 来年あたり、安倍首相がアメリカに行ったら、トランプ氏所有のコースでラウンドとなるのでしょうか? そういえばトランプ氏は、スコットランドの名門、ターンベリーGCを所有しています。ターンベリーといったら、全英オープン開催4回の超名門コースです。全英オープンは、スコットランドとイングランドにある、約10コースが持ち回りで開催するのが通例となっています。

 トランプ氏所有となったターンベリーGCは、ローテーションなら2019年の全英オープン開催予定になっていました。しかし2019年は、68年ぶりに北アイルランドのロイヤル・ポートラッシュGCで、行われることとなりました。誘致は地元のローリー・マキロイなどの尽力によるものです。そしてターンベリー外しは、中東・イスラム系のスポンサーがトランプ氏の差別発言に対し異議を唱え、暗躍したそうです。非常に高度な政治的駆け引きがあったのは間違いないでしょう。来年になれば、アメリカ合衆国大統領が英国を代表するコースのオーナーになるわけで、それがどう扱われるのか、注目したいです。

 一方、安倍首相ですが、腕前はトランプ氏に劣りますが、ゴルフ外交では一枚上手に見えます。トランプ氏へのお土産は、50万円もするドライバーを持って行きました。本間ゴルフの「ベレスS-05」という、完全オーダーメードのドライバーだそうです。ただしオーダーするには時間がないので、すでに作ってあった中で、トランプ氏にマッチしそうなやつを持って行ったとか。

 オバマ大統領の時は山形で作っているパターで、ちゃんと左利き用を作らせて持って行きました。ドライバーの方が豪華で派手なイメージがありますから、オバマさんより大事である感は演出できたのではないでしょうか。

 そもそも日米ゴルフ外交の礎を築いたのは、安倍首相のおじいちゃん、岸首相です。昭和32年6月19日に、岸首相はホワイトハウスを訪ねます。そこでアイゼンハワー大統領は歓待し、午後の予定を聞きます。「空いている」と岸首相が言うや、「午後からゴルフをしましょう」と誘って来たのです。ワシントン郊外のバーニング・ツリーCCに到着すると、岸首相の体格に合わせたクラブのフルセットがちゃんと用意されていたとか。ふたりは、実に楽しい時間を過ごします。

 安倍首相が、岸・アイゼンハーのゴルフ話をオバマ大統領に語ったエピソードは有名です。「ふたりのスコアは?」と聞かれて、安倍首相は「国家機密です」と冗談を言って湧かせました。その「国家機密」をバラしてしまうと、アイゼンハワー大統領のスコアが74で、岸首相は99だったそうです。これは、現状のトランプ氏と安倍首相の実力差のようにも映るんですけど…。安倍首相、もっと練習しないといけませんね。

 そんなわけで、アイゼンハワー大統領とのゴルフ外交はうまくいき、今度は日本へ招いて接待する側となります。しかし、歴史とは非情なもので、アイゼンハワー大統領は、昭和35年の6月19日(ちょうど岸首相訪米の3年後)に訪日予定だったのですが、直前に学生運動激化(米国特使の車が取り囲まれ国会突入デモも…)でキャンセルになり、後日、岸首相は退陣せざるをえなくなりました。

 安倍首相の本心でいえば、日本にトランプ大統領を招いて一緒にゴルフをしたいんじゃないでしょうか? それは、おじいちゃんの叶わぬ夢だったから。コースは、祖父から受けついだ、政財界御用達の名門、スリーハンドレッド・クラブが、有力ですね。

 まあ、日米が仲良くなれるなら、ラウンドはどこでもいいのです。多分、安倍首相はコテンパンにやられるでしょう。そこで、とっておきの秘策を伝授したいと思います。それは「アイゼンハワールール」の適用です。心臓に持病があったアイゼンハワー大統領は、ここぞというパットを決めると心臓に負担がかかってしまう。主治医から「グリーンに乗ったらパターを打たないことにしては?」と勧められて、それを実践したそうです。

 で、スコアはどうなるかというと、グリーンのどんな遠いところに乗っても2パットで計算するそうです。パーオンすれば、全部パー。バーディーがない代わりに、ボギー以下もない。なかなかいいアイディアですよね。

 あとダブルスを組んで、代打ちをさせる手もあります。日本側は、さしずめ松山英樹選手でしょうか。アメリカ側はジョーダン・スピースか、年齢的にはフィル・ミケルソンあたりが良識ある人格者として適しているのかも。あと、トランプ氏とウマが合いそうな、暴れん坊、ジョン・デーリーも外しがたいです。そうなったら、ぜひテレビで中継してほしいです。そこらへんのトーナメントより、よっぽど面白そうですね。