「日本1は当然」の巨人。ふがいなさにファンも落胆

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優勝を逃した巨人の契約更改は予想通り厳しい。

「巨人の顔」の阿部慎之助も容赦なく大幅ダウン。球団の怒りはすさまじい。

阿部は3年連続ダウンの2億6千万

阿部が来シーズンの契約を更改したのは2016年11月24日。示された金額は「6600万円ダウン」の2億6000万円だった。

「仕方ないな」

今季は開幕のとき故障で2軍にいた。そのため91試合の出場にとどまり、打率3割をマークしたものの12本塁打と期待を裏切った。

「優勝できなかったA級戦犯」

巨人OBがずばり指摘した通りである。広島に次ぐ2位になったものの、クライマックスシリーズで3位のDeNAに負けた。親会社、球団ともカンカンに怒ったという。

阿部はそれは分かって責任を負うコメントを残している。

「50試合出場できなかったのが大きい」

14年に球界最高の6億円を手にしたが、以後はダウンが続いた。15年5億1000万円、16年3億2600万円。そして17年も。3年連続のダウンである。

同じ日、首位打者の坂本隼人が1億円アップの3億円でサイン。阿部との明暗がくっきりだった。主役交代、すなわち坂本が「新巨人の顔」になったといっていい。

投手のA級戦犯内海とFAの片岡も大幅ダウン

「巨人は日本一にならなければならない。リーグ優勝では満足しない。そういう伝統である」

球団幹部の言葉である。阿部をはじめ許されざる成績への示しはすさまじい。

投手のA級戦犯と名指しされたのが内海哲也。今季の4億円は9勝にほど遠いとして、実に2億円ダウンの2億円というきついものだった。

「来年は先発ローテーションを守ってシーズンを投げ通したい」

エースとして君臨してきた左腕は悲壮感を見せた。

フリーエージェント(FA)で入団した選手ももろに逆風に遭った。

投手の大竹寛は3000万円ダウンの7000万円で更改した。6勝6敗では話にならなかった。

「来年の契約をしてもらい、野球をできることに感謝したい。来年はとにかく頑張る」

片岡治大も2600万円ダウンの6000万円で更改を終えた。今シーズンは32試合しか出ていない。

「振り返りたくないシーズンでした。申し訳ない」

俊足の選手も元気がない。彼もFAで西武から巨人入りした選手。今秋のドラフト会議で1位指名した吉川尚輝(中京学院大)は期待の内野手だけに、片岡の心中は穏やかではないだろう。

巨人は日本一になると大盤振る舞いをするが、ひとたび負けると大なたが振り下ろされる。

「フロントの責任が大きい。ろくに補強しなかったんだから」

渡辺恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役主筆)大ボスがシーズン中に指摘した通りの今シーズンで、フロントも青ざめている。

(敬称略スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)