メルカリついに殿堂入り!「日本の起業家ランキング」3年連続トップの秘密

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「日本の起業家ランキング」を開始した2014年から、メルカリは独走の三連覇を達成した。日本唯一のユニコーン企業といわれるメルカリの勝因は緻密な計画と社会への洞察にあった。

1位emoji、2位ポケモンGO、3位メルカリ。2016年7月、アメリカのiPhone向け無料アプリのダウンロードランキングで、メルカリはポケモンGOに迫る快挙を遂げた。日米合計5,500万ダウンロード、1日50万品以上の出品数を誇り、全米ではテレビCMがスタート。手数料の有料化にも踏み切る。

確実に人々の生活に大きな変化を与えているメルカリの成長の秘密とは何か。

ー夏にアメリカで急激に伸びた理由は?

買いたくなるものが揃っていることが大事なので、出品してくれるユーザーさんを増やすため、出品をいかに簡単にできるか、地道な改善を続けてきました。素地ができたところで、山火事のように一気に広がり、原因を「招待爆発」と言っています。

これはインスタグラム、Twitter、スナップチャットなどでインフルエンサーと呼ばれる人々が、「私の招待コードを使って」と、招待コード(※会員登録時に招待コードを入力するとお互いに2ドル分のポイントが得られる)を広めたのです。インフルエンサーが、コスメやファッションが安く買えると気づいたのがきっかけです。

ーユーザーの消費行動は想像以上では? 気に入らないと捨ててしまう使いかけの化粧品などが売買されている。

テレビでも紹介されたのですが、トイレットペーパーの芯や牛乳パックがまとめ売りされていて、夏休みの工作用にと買われていました。メルカリのミッションは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」なので、本当に新たな価値をつくったなと印象深かったです。

ー人の消費行動を変えた実感は?

それはどうでしょうか。お店で新品を買う時に、飽きたらメルカリで売ることを前提に買う方がいたり、履き古した靴でも、出品してみると、需要があったりとは聞きますが……。

ー日本の小売りは低迷しており、既存の流通を破壊したのでは?

その感覚はありません。人口減少による変動が出ているのかもしれませんが、ユニクロなど新品を売る店もリユースを扱うリアル店舗も、伸びているところは伸びています。例えばUberや格安航空機(LCC)は既存の産業と競合しているというより、氷山の水面下の部分の需要を掘り起こしているのだと思います。それは新しい需要であり、需要自体が増えていると思っています。

ー子会社のソウゾウによる新サービス「メルカリ アッテ」はユーザー同士が実際に会い、モノの売買のほか、家事代行、英会話レッスンなどのサービスを取引する地域の伝言板です。これは働き方への考えを変える、機会創出になるのでは?

その可能性はあります。僕はアメリカにいる時、クレイグスリストを使っていました。日本にはなかったので、スマホで使えたら面白いと思っていて、アメリカでユニコーンになったOfferUpも、クレイグリストのモバイル版のようなアプリで、うまくいっています。

ークレイグリストの収益モデルは?

基本的に掲載は無料ですが、求人広告や不動産売買など業者の広告は掲載料が必要です。もともと個人サイトにリスティングを始めたクレイグさんは成長させる気はなかったそうですが、全米に広がるほど成長しました。要は、習慣だと思います。Airbnbも一度使えば面白さがわかりますが、まず使ってみるまでは抵抗がある。

だから、メルカリ アッテも浸透するまでは多少時間がかかるかもしれませんが、個人間取引はモノに限らず、できることはどんどんやっていきたいと思っています。

習慣になると大きな変化が起きる気がします。しかし、原点回帰かなとも思うのです。昔はご近所さんや商店街の中で、「誰々さんは英語が得意らしいから、ちょっと教えてよ」という関係性がありました。そうした関わり合いが失われるなか、ネットで効率よくマッチングができてきているということだと思うのです。

ーアメリカの次の展開は?

アメリカである程度のところまで到達したとはいえ、まだまだ大成功とは言えません。アメリカにフォーカスしながら、次のイギリスでも立ち上げの準備をしています。ミッションで「世界的な」と謳っている通り、次はヨーロッパです。

また、AIやVRについて研究中です。例えば、日本とアフリカで個人間取引をするとなれば、自動翻訳が必要ですよね。あるいはショッピングはVRやARを使って、大きく変わるかもしれません。将来はメルカリがつくるサービスがプラットフォームになりたいという思いがあります。

僕が一番好きなサービスは、Skypeなんです。GoogleやFacebookほど収益を上げているわけではないでしょう。でも、Skypeを使って人生が変わった人は多勢いると思います。コミュニケーションを可能にしたことで、結婚をしたり、あるいは離れた場所で暮らすおばあちゃんと孫が話せたり。儲けよりも、世の中にインパクトがあるサービスを創りたい。そう思っています。