怪しすぎる! 夫管理「月25万」使途の大半はアレ

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■毎月25万円を夫が管理「全然貯金できない」

●家族構成(4人家族)
夫49歳(会社員)/妻48歳(専業主婦)/長女16歳(高校1年)/長男12歳(小学6年)
●年収 月収手取り約40万円弱
●賞与 夏冬各50万円
●貯蓄 約300万円

「夫の浪費がひどくて、全く貯蓄が増やせないんです」

相談に来て、開口一番、専業主婦のHさん(52)はこう言いました。会社員の夫(48)の浪費が激しく、5年ほど前から全く貯蓄が増えない、と。今ある300万円ほどの貯蓄から生活費を補てんすることになる前に何とか手を打ちたいというのです。

ご家族はご夫婦の他、高校1年生の長女と小学6年生の長男のお子さんが2人。Hさんは近くに住む夫の母の介護(病院付き添い、家事手伝いなど)をしており、働いて収入を増やすことは難しい現状です。

聞くと、夫は手取り40万円弱と少ない収入ではありません。そこから生活費としてHさんに15万円渡し、残り(約25万円)で固定費などの支払いをします。ただし、支払い後残ったお金は夫の自由。ギャンブルが趣味の夫は、パチンコ、パチスロ、競馬にそのお金を使ってしまいます。固定費の支払いを滞らせることはありませんが、自分管理のお金がなくなると、お小遣いが欲しいとHさんにねだります。

やりくりが別々なことに加え、生活費からも夫の支出を賄うので、Hさんは家計状況がどうなっているのか全然わかりません。わかっているのは、毎月赤字であることと、その補てんで夏冬のボーナス各50万円はすっかり消え、全く貯蓄ができていないということのみです。

毎月送られてきている請求書、領収書などを参考に、大まかな家計表を作成しました。Hさんのやりくりには極端に問題となる支出はありませんが、おおむね赤字。これで夫にさらなる小遣いを渡すと、かなりの赤字です。

夫の管理するお金は自己申告では黒字と言いますが、毎月小遣いをねだるのですから、お金は残っていないのでしょう。ギャンブル依存症なのかもしれませんし、何かしら解決の糸口を探りたいところです。

■家計簿を付けることを拒む夫の「趣味」

夫は若いころからギャンブルが好きで、生活に困らないようバランスを見ながら楽しんできたそうです。そのせいか、使わないと決めることもでき、マイホームを一括購入するときには、実父母、義父母からの援助に加え、夫が1000万円払えるほど貯めていました。自動車購入時も自分の貯蓄で一括払いできましたし、貯めようと思えば貯められる人なのです。

では、今なぜ浪費に走るのか。それが分からないため、まずはお金の使い方を探るべく、夫婦互いに家計簿をつけてもらうことにしました。夫ははじめ難色を示し、かなり面倒くさそうだったそうですが、翌月、大雑把につけたな家計簿と通帳をHさんに持たせ、私に見せてくれました。

競馬やパチンコへの支出は確かに多いのですが、隠そうともしない素直な方のようです。通帳を見ると、給料日後におろすのは家計費の15万円と自分の小遣い6万円のみ。固定費の引き落とし後に、残りの金額(約19万円)が頻繁におろされていきます。

Hさんが夫と話した時「家も買ったし、車も買った。もう、お金を貯めなくていいな」と言っていたそう。もしかすると夫は「貯める目標がない状態」なのかもしれません。

そこである夜、私は家計簿をつけてくれたお礼を言いたく、電話で夫と話をさせてもらいました。つけた感想は「やっぱりギャンブルばっかりだったなあ」と。「でも、家も車も買ってお金を貯める必要もないし、今ある貯蓄で何とかなるでしょう」とも言います。妻が騒がないから、大丈夫だろうという甘えもあったようです。

Hさんの夫には、次のようなことをお伝えしました。Hさんは義母の介護をしながらのやりくりには限界もあり、節約を意識しても毎月生活費は赤字。ボーナスで補てんするので、全く貯蓄が増えていない。そして、今ある貯蓄を切り崩すギリギリの家計状況なのに、お嬢さんも息子さんもすぐに教育費が必要な時期になってしまうこと。そしてHさん夫婦の老後も考えなくてはならず、それらについて奥さんがしきりに心配していることなどです。

■夫の「改善・覚醒」で支出は月10万も減った!

Hさんのギャンブルは、特に病的なものではなく、過剰な趣味だったようで、この話をきっかけに反省し、少しずつですが、行動が変わってきたそうです。下記は、コストカット額の大きい順の家計費項目です。

【家計費コストカット額ランキング】

1位:夫の使途不明金 −5万1000円
だらだら使っていたギャンブル代も、使わなくなった。
2位:夫の外食費 −1万4000円
ギャンブルに行く回数が減ると、外食に行く頻度が減った。
3位:通信費 −1万1000円
家族4台分の格安スマホへの変更と固定電話・ネット代。
4位:夫のこづかい −1万円
次の貯蓄目標を持つことで、ギャンブル頻度が減った。
5位:家族全体の食費 −8000円
支出が見えにくくなりがちなので、1週間予算管理をしてみた。
6位:家族全体の娯楽費 −5000円
夫がポケットマネーで負担してくれるようになった。
7位:生活日用品 −2000円
食費と共に週単位で管理。
7位:水道光熱費 −2000円
一般的な節約意識を持つことにより、削減。

Hさんの夫はギャンブルに行く回数が減り、子どもと進路の話をしたり、夢の話をしたり、なにかと会話することが増えました。伴って食費がへり、「節約」という言葉も口にするようになりました。家族に家電量販店へ連れていかれ、格安スマホに変えました。Hさんの家はオール電化住宅なので、電気の使い方を中心に家族全員で節約するように気を付けようと号令が入りました。

Hさんのほうでは、食費と日用品に1週間分の予算を決め、それをやりくりして支出を下げていきました。娯楽費は長男と出かけることに使っていましたが、幾分か夫が小遣いから出してくれたので、家計からの支出が減りました。結果、毎月の支出は10万円ほども減り、ボーナスからの補てんは不要になるまでに家計は改善です。

家計は一つになったわけではありませんが、互いにお金を使った記録を見せることで、理解し合えるように変わりました。また、夫も子どもとの時間を増やしたことで、教育費を貯めてあげなければいけないという目標もできたようです。

お金を貯める目標がなくなると、つい気が緩み、お金を使い始める人は多いものです。程度の差はあれ、毎月普通の家庭では考えられない額の洋服代をかけていたり、趣味に費やしたり。Hさんの夫の場合はそれがギャンブルだったわけですが、やはりきちんと目標を持たなければ、貯蓄し続けるということは難しいと痛感します。

(ファイナンシャルプランナー 横山光昭=文)