ビジュアル付き、山田孝之7変化!

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 作品ごとの演技の幅の広さから、カメレオン俳優とも呼ばれている俳優・山田孝之(33)。彼が実際にどのようなビジュアルそして演技を披露してきたのか、作品ごとに追っていく。

 まずは、初々しさが残る12年前のドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」から。最愛の恋人を亡くして以来、17年間心を閉ざし続けた主人公・朔太郎が、彼女の思い出と向き合い未来へ踏み出すまでを描いた本作で、朔太郎の高校時代を演じた山田。“セカチュー”の名で一世を風靡(ふうび)したドラマで山田の存在感が示されたのは、やはり第1話の冒頭ではないだろうか。まだストーリーが何も明かされていない冒頭で山田は、ヒロインを思って泣き崩れる制服姿の主人公を演じ切り、視聴者たちの心をわしづかみ。山田はこの作品でザテレビジョン「ドラマアカデミー賞」で主演男優賞を受賞した。

 そして純朴な朔太郎役からは考えもつかない、クールすぎる山田といえば、「闇金ウシジマくん」シリーズのときの彼だろう。「闇金ウシジマくん」は、先月に劇場公開された最終章『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』を含めた4本の実写映画と、3本のドラマが製作された山田の代表作とも言える作品。現代社会の闇を真正面から描き反響を呼んだ真鍋昌平の人気原作コミックの実写化作品の本作で、「10日で5割(トゴ)」の金利をむしりとる闇金カウカウファイナンスの社長・丑嶋にふんした山田の眼光は非常に鋭い。闇金業界ということで丑嶋の周りではさまざまな“コト”も起こるが、眉ひとつ動かさずただただ見つめている山田ふんする丑嶋には、恐怖を通り越して畏敬の念を抱いてしまうという人も多いのでは。

 ここで一度ブレイクタイム(?)。ということで、映画『鴨川ホルモー』で大学生・安倍明にふんしたときの山田をはさむ。人気作家・万城目学の同名ベストセラーを映画化した青春コメディーの同作では、京都大学生の主人公がたまたま入部したサークルで“ホルモー”なる謎の競技に出会い、京都の大学との間で対抗戦を繰り広げるさまが描かれる。今回の山田は長髪でパッとしない大学生の安倍役。「世界の中心で、愛をさけぶ」のときのさわやかさも、「闇金ウシジマくん」の時にあった威厳も全くなく、しかもちょっぴり変態チック。また声にも今までにないヨワヨワしさがあり、必聴の作品でもある。

 今までの現代モノとは異なる戦国モノに臨む山田が見られるのが、映画『信長協奏曲 NOBUNAGA CONCERTO』。2014年にテレビドラマ化された石井あゆみ原作漫画の劇場版だ。タイムスリップしてしまった高校生サブローが、織田信長と入れ替わり戦国時代を生き抜いていくさまが描かれる。山田が演じたのは、小栗旬ふんする織田信長を恨み、復讐を企む羽柴秀吉。劇場版のクライマックスともいえる“盟友”小栗との対峙シーンは、ピンと張り詰められた緊張感がすさまじい。ドラマ版から観ていると、薄汚れた着物から武将として甲冑を着る秀吉のビジュアルの変化がさらに楽しめる。この作品も含めて、山田の甲冑姿はとにかくかっこいい。

 それでは一番狂気的な山田といえば? かなり迷うが、ここは映画『その夜の侍』を挙げたい。『その夜の侍』は、ひき逃げによって最愛の妻を失った男が、犯人に復讐を果たすため、狂気と日常の狭間を生きる姿を描くヒューマンドラマ。山田はひき逃げの後刑に服すも行動を改めることなく暴力に酔う、とにかくどうしようもない男・木島宏を演じている。チンピラ風の服に身を包む木島のゲスぶりは、チンピラという言葉だけでは片づけられない。人を車でひいても自分は悪くないとのたまい、「なんかサバみそのにおいがする」としゃべる。その前のシーンで木島の人間らしさを出しつつ、見事な落差で木島の異常感を観客にすさまじいインパクトで残したのはさすが。

 ここまできたものの、今一番親しまれているのは現在3シーズン目がテレビ東京で放送中のドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの山田かもしれない。某国民的RPGをオマージュした世界観と、小ネタ満載のストーリーがファンの絶大な支持を集めている本作で、山田演じるヨシヒコは観ている者に恐怖を与えることは一切ない。むしろ天然すぎる彼は、癒やしさえもたらしてくれる。この作品の山田はどう見ても、勇者。そしてひげを生やしておらず、さっぱりとした印象のため、ほかの作品よりも若々しく見えることも特徴的だ。「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」(2012)と同じ年に、『闇金ウシジマくん』『その夜の侍』が公開されているという事実は、今でも信じがたい。「荒川アンダー ザ ブリッジ」も「勇者ヨシヒコ」シリーズにならぶ強烈なビジュアルだった……。

 7変化ラストを飾るのは、『バクマン。』で頭もじゃもじゃ編集者にふんしたときの山田。「DEATH NOTE デスノート」の大場つぐみ&小畑健コンビによる人気漫画を、「モテキ」の大根仁監督が実写映画化した『バクマン。』で、山田は漫画家を目指す性格の違う高校生二人の才能を見抜いた週刊少年ジャンプの編集者・服部を演じた。『闇金ウシジマくん』『信長協奏曲 NOBUNAGA CONCERTO』など漫画実写化作品にも多数出ている山田だが、彼の魅力は漫画のキャラクターというよりも、世界観にマッチングするようなキャラクターづくりがうまいことにもあるだろう。『バクマン。』では映画版のモデルになった週刊少年ジャンプの編集者を研究して、「服部」を作り上げたという。確かにジャンプ編集部にいそうなイメージである。

 上記7作品は映像配信サービス「dTV」で配信中。(編集部・井本早紀)